ジェラルド・クリーヴァー、ウィリアム・パーカー、クレイグ・テイボーンによるグループ「Farmers by Nature」による2枚組『Love and Ghosts』(AUM Fidelity、2011年)を聴く。
Gerald Cleaver (ds, perc)
William Parker (b)
Craig Taborn (p)
フォーマットだけで言えば「普通のピアノトリオ」である。また、スタイルで言えば「旧来型のフリージャズ」であるかもしれない。しかし、というべきか、それとは関係なく、というべきか、この演奏は素晴らしく、聴き手を鼓舞する力と慰撫する力の両方を持っている。
音楽全体をドライヴするのはウィリアム・パーカーのベース。強靭にして柔軟、強度には硬いものと柔らかいものとがある。まさにラオウとトキの同体である(『北斗の拳』)。これにテイボーンとクリーヴァーが加わり、巧妙で緊密な織物のように、あるいは嵐のように、有機体音楽が創り上げられていく。
今年(2015年7月)に来日するパーカーはどんな音楽を見せてくれるのか、これから楽しみである。
●参照(ウィリアム・パーカー)
アレン/ドレイク/ジョーダン/パーカー/シルヴァ『The All-Star Game』
ウィリアム・パーカー『... and William Danced』
ウェイン・ホーヴィッツ+ブッチ・モリス+ウィリアム・パーカー『Some Order, Long Understood』
ダニエル・カーター『The Dream』、ウィリアム・パーカー『Fractured Dimensions』
ウィリアム・パーカー、オルイェミ・トーマス、ジョー・マクフィーら『Spiritworld』
ウィリアム・パーカー『Luc's Lantern』
ウィリアム・パーカーのベースの多様な色
ジョー・ヘンダーソン+KANKAWA『JAZZ TIME II』、ウィリアム・パーカー『Uncle Joe's Spirit House』
ウィリアム・パーカーのカーティス・メイフィールド集
ブラクストン、グレイヴス、パーカー『Beyond Quantum』
エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』
ESPの映像、『INSIDE OUT IN THE OPEN』
アンダース・ガーノルド『Live at Glenn Miller Cafe』
トニー・マラビー『Adobe』、『Somos Agua』