Sightsong

自縄自縛日記

ビョーク『Post』、『Homogenic』

2015-03-20 07:20:03 | ポップス

ビョークの新譜が話題の中、遅れてきたわたしは古い盤を順番に聴いている(笑)。

『Post』(1995年)

人里離れた山での生活を唄った「Hyper-Ballad」や、オーケストラをバックにコミカルに唄った「It's so Quiet」などがいい。

惹かれるのは歌詞を反芻しながらの歌世界だけではなく、ビョークのコブシ、鳴らす喉、叫び。いちいち発声に癖があって、たとえば「mountain」という単語なんて出てくるたびに「来た来た」と思ってしまう。

『Homogenic』(1997年)

前作よりもスピード感とか一体感とかいったようなものが出てきたのかな。ただ、バラエティと手作り感がある分『Post』が好みだ。

「Alarm Call」は、山における達観と警告。前作での「Hyper-Ballad」が閉ざされた幸福を唄っていたのとは表裏一体だなという印象をもったのだがどうか。

●参照
ビョーク『Gling-Glo』、『Debut』


アンドリュー・ディアンジェロ『Morthana with Pride』

2015-03-20 00:12:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

アンドリュー・ディアンジェロ『Morthana with Pride』(doubt music、2004年)を聴く。

Andrew d'Angelo (as, bcl, bs)
Anders Hana (g, effects)
Morten J. Olsen (drum kit)
Mike Pride (voice, effects, screaming, drum kit)

ノイズと絶叫の渦巻く雷雲の中を、ディアンジェロがビキビキの音を発して全力疾走する。こうなると暴力的なのか美しいのか判別しかねる臨界点を超えている。身体の有機的なつながりが分断されるほどの動きである。すなわち、走る暗黒舞踏か、走る「貞子」か、走る天使か。

実際に演奏に立ち会ったなら、脳内を豪雨が降り、積もった何かを洗い流すに違いない。

●参照
エド・シュラー『The Force』