Sightsong

自縄自縛日記

ビョーク『Vespertine』、『Medulla』

2015-03-22 23:23:47 | ポップス

なおもビョークの旧作を順番に聴く。

■ 『Vespertine』(2001年)

ジーナ・パーキンスのハープが大きくフィーチャーされている。ストリングス中心の撥ねるような擦れるようなサウンドの中で、ビョークはやたらと内向的な詩を唄う。これに電子音がびよんびよんと加わると聴き疲れしてしまうが、ハーモニカだけのインストルメンタルが挿入されて救われる。

■ 『Medulla』(2004年)

一転して、コーラスなどの「声」が幾重にも重なって、しかしビョークの声はどこにあっても変わらず個性的。「Oceania」で雲が開けたような印象を覚え、目が醒める。

●参照
ビョーク『Gling-Glo』、『Debut』
ビョーク『Post』、『Homogenic』


ネイト・ウーリー『Battle Pieces』

2015-03-22 08:02:54 | アヴァンギャルド・ジャズ

ネイト・ウーリー『Battle Pieces』(Relative Pitch、2014年)を聴く。

Nate Wooley (tp)
Ingrid Laubrock (sax)
Matt Moran (vib)
Sylvie Courvosier (p)

一聴して物足りなく感じるが、コンサートホールに身を置いたつもりになって改めて聴いてみるとさまざまなイメージが湧いてくる。

4人のプレイヤーによる集団即興というよりも、演劇のようにそれぞれの出番を明確化し、個々の楽器の音色をじっくり聴かせるものになっている。空中に緊張感をもって留め置かれているようなウーリーのトランペットも、間と響きを助長するマット・モランのヴァイブも耳から異様な雰囲気のまま侵入してくる。そのように聴く者が固唾を呑むなかで、イングリッド・ラウブロックのサックスの音色もすごく浮かび上がってきている。

●参照
イングリッド・ラウブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone
イングリッド・ラウブロック『Zurich Concert』
イングリッド・ラウブロック(Anti-House)『Strong Place』
トム・レイニー『Obbligato』(ラウブロック参加)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(ラウブロック参加)