張り切って、3日続けてエヴァン・パーカーのパフォーマンス。今日は稲毛のCandyである。会場には30人ほどがぎっしり。
わたしにとっては、パーカーのギグを目の当たりにするのが10回目。世田谷美術館でのソロを観て驚愕したのが、20年前の1996年である。
Evan Parker (ss, ts)
ファーストセット、ソプラノサックス。これは時間との競争なのだろうか、息を呑んで追い詰められ、ひたすらに見つめる。高音中心から、音風景を次々に変貌させてゆき、右手の指でタンポをブハブハと叩くサウンドも、泡立つような音もあった。
セカンドセットその1、テナーサックス。ソプラノと異なり、ブロウ間の間合いと息継ぎがあり、重力を感じる。フレーズらしきものもある。マルチフォニックも、それにより内奥を引っ掻きえぐるような濁った音も素晴らしかった。
セカンドセットその2、ソプラノサックス。向こう側まで透徹するような、目が覚めるような、鳥の歌声。聴いているこちらが置いていかれそうな感覚があった。やがて音が小さくなり、スローダウンして、音を打ち切った。
今日も唯一無二の音を体感した。
●エヴァン・パーカー
エヴァン・パーカー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2016年)
エヴァン・パーカー@スーパーデラックス(2016年)
エヴァン・パーカー、イクエ・モリ、シルヴィー・クルボアジェ、マーク・フェルドマン@Roulette(2015年)
Rocket Science変形版@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー US Electro-Acoustic Ensemble@The Stone(2015年)
エヴァン・パーカー+土取利行+ウィリアム・パーカー(超フリージャズコンサートツアー)@草月ホール(2015年)
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)
ジョン・エスクリート『Sound, Space and Structures』(2013年)
『Rocket Science』(2012年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』(2008年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Gold is Where You Find It』(2008年)
エヴァン・パーカー+ネッド・ローゼンバーグ『Monkey Puzzle』(1997年)
エヴァン・パーカー+吉沢元治『Two Chaps』(1996年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981-98年)
スティーヴ・レイシー+エヴァン・パーカー『Chirps』(1985年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Detto Fra Di Noi / Live in Pisa 1981』(1981年)
シュリッペンバッハ・トリオ『First Recordings』(1972年)