ネイト・ウーリー+ウーゴ・アントゥネス+ジョルジュ・ケイジョ+マリオ・コスタ+クリス・コルサーノ『Purple Patio』(NoBusiness Records、2012年)を聴く。300枚限定のアナログ盤である。
Nate Wooley (tp)
Hugo Antunes (b)
Jorge Queijo (ds)
Mário Costa (ds)
Chris Corsano (ds)
何人ものパーカッションの中でのトランペットとなれば、日野皓正『Spark』(1994年)を思い出してしまう。当時、Mt. Fuji Jazz Festivalに出かけて行って、炎天下で朦朧としながら、けだるく進行していつまでも終わらない演奏を聴いた。あれはなんだったのか。
この音楽はそれとはまるで異なり、かまいたちで斬れそうな緊張感をはらんでいる。ドラマー3人の誰がどう音を発しているのかよくわからないのだが、ときに、魅入られそうな妖刀の鋭さを持っているクリス・コルサーノかなと思える音色が聴こえてくる。
言ってみれば、パルスと響きのモビールである。その中を肩でかわしながら、ネイト・ウーリーがさまざまなトランペットを聴かせる。偏執的な循環奏法あり、朗々とした響きあり、フラグメンツもあり。本人にとってはサウンドの実験だったのかな。
●ネイト・ウーリー
ネイト・ウーリー+ケン・ヴァンダーマーク『East by Northwest』、『All Directions Home』(2013、15年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
ネイト・ウーリー『Battle Pieces』(2014年)
ネイト・ウーリー『Seven Storey Mountain III and IV』(2011、13年)
ネイト・ウーリー『(Sit in) The Throne of Friendship』(2012年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
ハリス・アイゼンスタット『Canada Day IV』(2015年)
●クリス・コルサーノ
クリス・コルサーノ、石橋英子+ダーリン・グレイ@Lady Jane(2015年)
エヴァン・パーカー+ジョン・エドワーズ+クリス・コルサーノ『The Hurrah』(2014年)
メテ・ラスムセン+クリス・コルサーノ『All the Ghosts at Once』(2013年)
ネイト・ウーリー『Seven Storey Mountain III and IV』(2011、13年)
ロドリゴ・アマド『This Is Our Language』(2012年)