本八幡のcooljojo(2018/4/14)。
Nobuko Ariake 有明のぶ子 (vib)
Hiroko Takada 高田ひろ子 (p)
Ikuo Sakurai 桜井郁雄 (b)
なんでもずいぶんと久しぶりの高田ひろ子さんとの共演であり、ピッチを合わせるために、30 kgもあるヴァイブの上の音盤を電車で運んできたそうである。ピアノとヴァイブは音が重なるようでいて、周波数の領域も、響かせ方も、また音色も互いに異なっているため、お互いの世界を引き立てるような感覚になった。有明さんはペダルでかなり響きを残したし、その耳でピアノを聴くと丸いものに感じられてまた面白い。ここに桜井さんのベースが加わり、色が異なる3つの雲が近づいたり重なったり隠れたりするようで。
「Spring is Here」、「Our Spanish Love Song」(ヘイデン)に続き、高田さんが生徒さんの結婚を祝うために作ったというオリジナル「Kaori」。ベースソロにヴァイブ、ピアノのふたりが入るところの気持ちよさがあった。「How Do You Keep Music Playing?」(ルグラン)では、ピアノからヴァイブへのバトンタッチがとてもスムーズ。ファーストセットの最後は「Falling Grace」(スワロウ)。最初は有明さんのふわふわと浮かぶようなヴァイブから始まり、ベースとピアノが入ってきてサウンドが地に足を着けた。いかにもスワロウの甘酸っぱいような妙な曲であり、そのせいか、誰かのソロの間は伴奏があったとしても本人にスポットライトが当たっているような不思議さがあった。高田さんのピアノはここでは力強いものだった。
セカンドセットは引き続きスワロウの「Wrong Together」。続いて、サンバの「Little Train」では桜井さんが顔をしかめながらも愉し気にノリノリのベースソロを聴かせた。ブラジル感のままに「サウダージ・ダ・バイーア」、高田さんのリズムを跨って弾くピアノ。「Blue or Red」(高田)では、ヴァイブとピアノとのゆっくり目のユニゾンが実に心地いいものだった。そして「Stella by Starlight」、有明さんが散らしたヴァイブの音色が次第に尖ってくるのも良かったし、旋律のつらなりを長く長く作りだす高田さんのピアノソロも素晴らしかった。サウンドを駆動させる役割のベースとピアノとが見事に連動した。アンコールは「Nearness of You」。
Fuji X-E2、XF60mmF2.4
●高田ひろ子
高田ひろ子+廣木光一@本八幡cooljojo(2017年)
安ヵ川大樹+高田ひろ子@本八幡Cooljojo(2016年)
高田ひろ子+津村和彦『Blue in Green』(2008年)