アンソロジー・フィルム・アーカイヴズはジョナス・メカスらが作った組織であり、いちメカス・ファンとしては、何はともあれ入ってみなければならない。ちょうど、修復されたばかりだという、チャールズ・ヘンリー・フォード『Johnny Minotaur』(1971年)を観ることにした。
料金はちょうど10ドル。15分くらい前に着くと、すでに多くの人たちが開場を待っていた。座席は満員。まずは、この映画の修復に3年くらいかけたとか、タブーに挑戦した作品なので怒らないでくれ、といった挨拶があった。
80分ほどの16ミリ映画だが・・・。なんというか、ほとんどの間、少年の○○○ばかりを写している。ストーリーは無いにひとしい。憧れの場所に入って、なぜわたしは○○○を80分も凝視しているのだろう。まあ、クイア映画だとか、ダリやギンズバーグがナレーションに参加しているとか、それらしき意義を言って言えなくもない。
観客はみんな刺激的な場面で楽しんでいるふうを装って笑い(としか思えない)、終了後、拍手する人たちまでいた。スノッブは万国共通である。わたしもあなたもスノッブだ。ああ、あほらし。
ところで、上映中も、何人もの人が(若者に限らない)、ケータイをチェックしていて、かなり鬱陶しい。日本のマナーがいいのか、アメリカのマナーが悪いのか。