なんか右翼的なタイトルだが(笑)、もちろん中身は大マジメ。これも右翼と言えないことはないか。
伊那谷、苫小牧(東)、岩手/青森(南部)、新潟。この4つのエリアにおける「開発」過程の、国家や資本家たちの農民からの巧妙な「搾取」を描いている。もちろん筆者の目は搾取される側、農民に向いている。
弱者の味方と言う基本的なスタンスは、この本でも変わらない。変わらないから変わり映え無くつまらないとも言えるが、農民がいかなる手段で先祖代々もしくは「むらびと共通の資産」だった田畑や山林を「国有化」「(資本家による)私有化」されてゆくか、その過程が述べられているのが興味深い。その点では大いに勉強になったし、30年前と今もあまり変わっていないのではと漠然とながら思えた。
だが、筆者が農民の味方で国や資本化を糾弾するのは結構。だが、「ではどうすれば良かったのか?」という論点で考えれば、しょせんは物書きの遠吠えに思える。農民たちに開発を拒み誇りを持って雄々しく生きよと口では言えても、現実の飢えや都市部の住民との生活格差をどう埋めるか(埋める必要はないのか?)と問い返されたら恐らく筆者に答えは出来ないのだから。人はパンのみに生きるに非ず、されど…
2007年10月29日 自宅にて読了
伊那谷、苫小牧(東)、岩手/青森(南部)、新潟。この4つのエリアにおける「開発」過程の、国家や資本家たちの農民からの巧妙な「搾取」を描いている。もちろん筆者の目は搾取される側、農民に向いている。
弱者の味方と言う基本的なスタンスは、この本でも変わらない。変わらないから変わり映え無くつまらないとも言えるが、農民がいかなる手段で先祖代々もしくは「むらびと共通の資産」だった田畑や山林を「国有化」「(資本家による)私有化」されてゆくか、その過程が述べられているのが興味深い。その点では大いに勉強になったし、30年前と今もあまり変わっていないのではと漠然とながら思えた。
だが、筆者が農民の味方で国や資本化を糾弾するのは結構。だが、「ではどうすれば良かったのか?」という論点で考えれば、しょせんは物書きの遠吠えに思える。農民たちに開発を拒み誇りを持って雄々しく生きよと口では言えても、現実の飢えや都市部の住民との生活格差をどう埋めるか(埋める必要はないのか?)と問い返されたら恐らく筆者に答えは出来ないのだから。人はパンのみに生きるに非ず、されど…
2007年10月29日 自宅にて読了