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「写美」に行くパターンは決まっていて、会期が終わりに近づいた頃オークションで安いチケットを買って行く。たいてい2つの展示会をほぼ同期間にやってるので、オークションで仕入れる時期も似たような頃になってくる…ちなみに終了が近づけば落札価格は100円~200円/枚程度です。
そんなわけで久々に足が向いたのは、タイトル最後の「旅」という文字に惹かれたから。きっと6人の写真家が旅をしつつ撮った写真だろう、であれば被写体の選び方、構図の撮り方、光線の使い方…幾らでも参考になる写真があるはずだ。ここまで明確な目的意識を持って観に来たのは初めてかもしれない(笑)。ちなみに「6人」とは
・尾仲浩二
・百瀬俊哉
・石川直樹
・百々 武
・さわひらき
・内藤さゆり
である。おっ、石川直樹。話には聞いているが作品は初めてだ~。
尾仲浩二の国内(特に海南)、百瀬俊哉の海外(特にインド)はかなり気に入った。たいへん生意気で失礼なのだが「そうそう、俺もここに居たらこの構図で撮るよ~」って共感しちゃうショットが幾つもあって。動いている人物が入ってる場合はそのポジションにその人が来るのを一瞬待つ…きっとこの人たちもそうだったんだろうなぁ。「そんなこと考えて撮ってるんですか!」って前に感心されたことがあるけど、私だってたまにはそういう事もするんです(笑)。
石川直樹は富士山。望遠で山頂や登山道を引き寄せ、雄大さを切り取り荒々しさをクローズアップ…してるんだけど、なんか印象に残らない。上手いのかもしれないが自分の感覚とはちょっとズレがあるか。彼はカメラマンとしてではなく探検家(あるいは人類学者?)としてもう一度作品に触れてみたい。
百々武は日本の島々を訪ね、そこで撮った写真。海や山が近く、厳しい環境条件下で逞しく生きる人々の表情が良い。漁師や農夫の深い皺、屈託ない子供たちの表情。奄美、沖縄と島づいている昨今だが、こんな良い顔には少し長逗留しないとお目にかかれないかなぁ。
さわひらき、内藤さゆり…被写体の何を撮りたいのか、或いは被写体を通じて何を訴えたいのかが良く判らない。百々武と同じ歳なので、「自分との世代の違い」では片付けられないなぁ。きっとこういう作風が好きな人も居ると思うけど。
うん、今回は特に良かった。
ところで、旅先や飲み会で話をしていると「いや~私のはデジイチでも何でもないただのバカ○○○で」とか「コンパクトカメラなので…」とか聞くことがあるけれど、それは断じて違う!と言いたい。普通にスナップ程度を撮る分にはある程度までイケるはず、それが判らずにデジイチ買っても無駄。コンパクトカメラを使いこなせない人がデジイチ使いこなせるわけがない。諦める前にお手持ちのカメラを使いこなしてみましょうよ!やってみなはれ。以上、安カメラしか持たない者のヒガミでした(苦笑)。
恵比寿・東京都写真美術館にて鑑賞