日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
割とまめに書くようにしています。
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【本】伊豫谷登士翁・吉原直樹・齋藤純一著 「コミュニティを再考する」(平凡社新書)

2017-06-16 20:20:50 | 本・映画・展覧会
 コミュニティって言うと最初に連想するのは地域。そして職域。あとは趣味やボランティアなど共通項を持った人々の集まり、連携だろうか。その定義からし直さなければならない本書は実に面倒くさい本だった。学者先生がたが理屈をこねくり回している「ろくろ本」と斬り捨ててしまおうかな?

 学者先生がたも己の知識を披露する(「xxの言うところの…」と言う表現が結構多くてイラッとさせられる)ために本書をまとめたわけではあるまい。東日本大震災以降「崩壊した」あるいは「実はそもそもなかったことが露見した」(←この表現は厳しいが鋭い指摘ではないか)コミュニティに代わる、新たなコミュニティを模索しているのだが明確な結論は出ているように読み取れない。そんなものは(未だ)存在しないのかもしれない。

 そもそもコミュニティって何なのさ?と言う基礎的な疑問に立ち返り、その上でコミュニティって人々の生活に、あるいは人生において必要なものなの?と考えるきっかけにはなるがたぶん学者先生方にも判らないのだ。コミュニティって漠然とした意識の共有だけでは不十分で、明確な定義づけや誓約書的な共同体への覚悟の意思表示が必要なものなのだろうか?少なくとも自分はこれまで考えたことなかったし、今後も改めて考えたり自覚しようとは思わないのだけれど。

 2017年6月7日 通勤電車にて読了
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【本】楡 周平著 「『いいね!』が社会を破壊する」(新潮新書)

2017-06-16 06:20:17 | 本・映画・展覧会
 タイトルからしてtwitterとかfacebookあたりで安直にイイネ!つけるだけの考えなしな風潮を批判…と思ったら良い意味で全然違った。

 ここで言う「いいね!」はサイバーコミュニティに限らず、現代社会における覇者=寡占企業を指し、その拡大に伴う従来の社会システムの崩壊を憂いている。例えばアマゾンや楽天の発展に伴い既存のリアル店舗が衰退する。そしてそうした「電脳ショッピング」リテラシーを持たない「弱者」が取り残される。もしくは、そうした結果ある日オセロのひっくり返しのように通販大手が(例えば)値上げしても、もう消費者が選ぶほかの店舗は存在しない…また、ショッピングを通じて得た膨大な消費者の行動性向がビッグデータとして蓄積され「活用」される。ちなみに本書は例のヤマト運輸値上げ問題が起こった最近に書かれた本ではなく、数年前に上梓されている。

 正直、「それのどこが悪いの?」と思わないこともない。生鮮食料とは違う本やモノはどこで買っても一緒なら、輸送費込みでも安いネットショップで買うだろう。重いもの持ち歩かずに済むし。知り合いに「地域商店を護るため本はアマゾンで買わず地元書店で買う!」と宣言している人がいるが、マジョリティではないだろう。リsクを訴えられてもそれが自らに差し迫っていなければ、例え個人情報が濫用されると聞かされても危機感は薄い。一方で、「オセロ」をやられるんじゃないかと言う危機感はいつも感じている。

 もっともらしく纏めるのは難しい。せめて言える事は、何か起こったときにもうろたえず対処できるよう、良くものを見ましょうってことくらいだろうか。

 2017年5月15日 通勤電車にて読了
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