日本では観光列車用として残るだけで、日常の営業車両としては絶滅したと言って良い客車。モーターやエンジンを持たず、機関車に引っ張られて走る車両のことです念のため。
その客車について述べられ、それを実感を持って受け入れられるのは精々40歳から上の世代ではないか。あとは知っていても記憶か、観光列車としてであろう。幸い自分は、いわゆる旧型客車末期が活躍していた時代に間に合った。
本書は、客車の楽しみ方~量産品でありながら細かく仕様が違ったり、台車の振替えによる形式の変更があったり、1両単位で貸し出され全国を走り回ったり~について、著者撮影を中心とした多くの写真を添えて書かれている。もちろん基本的な形式解説、形式名の付与基準なども抜かりない。
良くも悪くも魑魅魍魎だった旧型客車は、10系20系客車以降は整然と整理された車両群となっていった。そうでなければ大量輸送時代に適応できなかったのだから当然、それまでが勝手過ぎたと思う半面、没個性化を残念とも思う。
確かに自分が旅に出始めた頃は編成の1両1両を確かめ、車内の明るさや座席のモケットなど、混み具合だけでなく判断基準として居場所を決めたことがあったな。そういう経験をお持ちの方には興味深い1冊であること請け合いである。
2018年6月6日 通勤電車にて読了
その客車について述べられ、それを実感を持って受け入れられるのは精々40歳から上の世代ではないか。あとは知っていても記憶か、観光列車としてであろう。幸い自分は、いわゆる旧型客車末期が活躍していた時代に間に合った。
本書は、客車の楽しみ方~量産品でありながら細かく仕様が違ったり、台車の振替えによる形式の変更があったり、1両単位で貸し出され全国を走り回ったり~について、著者撮影を中心とした多くの写真を添えて書かれている。もちろん基本的な形式解説、形式名の付与基準なども抜かりない。
良くも悪くも魑魅魍魎だった旧型客車は、10系20系客車以降は整然と整理された車両群となっていった。そうでなければ大量輸送時代に適応できなかったのだから当然、それまでが勝手過ぎたと思う半面、没個性化を残念とも思う。
確かに自分が旅に出始めた頃は編成の1両1両を確かめ、車内の明るさや座席のモケットなど、混み具合だけでなく判断基準として居場所を決めたことがあったな。そういう経験をお持ちの方には興味深い1冊であること請け合いである。
2018年6月6日 通勤電車にて読了