【ぼちぼちクライミング&読書】

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「よみがえる昭和天皇」辺見じゅん/保阪正康

2024年09月20日 07時39分56秒 | 読書(昭和史/平成史)


「よみがえる昭和天皇 御製で読み解く87年」辺見じゅん/保阪正康

読み返し。

P31
貞明皇后は旧名を九条節子といって、公家の最高の家柄である五摂家のひとつ、九条家の出身です。
(中略)
一方、香淳皇后は皇族である久邇宮家の正室のお嬢さんで(中略)結婚当初は貞明皇后も気に入っていたのですが、そのうち溝ができていく。

P73
平成8年になって、今上天皇と美智子皇后がどうしても、翌年の宮中歌会始の召人に齋藤史さんを招きたいと仰ったそうです。

P94
8月14日の御前会議では、ポツダム宣言受諾を最後まで反対した陸相の阿南惟幾が、天皇にとりすがるように泣いたそうです。それを天皇はやさしく「阿南もういい、お前の気持ちは分かった。だが私には国体を守る自信があるのだ」と諭されました。阿南陸相はその場を辞すると自分の官邸に帰り自害します。

P150
香淳皇后が美智子妃をあまりお気に召していなかったことは、当時から知られていました。

P220
昭和五十四年にA級戦犯の靖国合祀が公になりましたが、昭和五十年を最後に昭和天皇は参拝されていません。この合祀について天皇はかなり不快感を持っておられた。
しかし、その後も歴代内閣は参拝を続けた。

【ネット上の紹介】
昭和天皇が遺した一万首とされる御製には、戦乱から繁栄へと変化を遂げた時代の色が、そして波瀾に満ちた天皇自身の人生が投影されている。昭和史に精通した作家と歌人が、百七十首余を徹底討論。昭和天皇の新たな実像が浮かび上がる。
[目次]
第1章 若き摂政宮の時代―大正年間;第2章 軍部の台頭―昭和初年代;第3章 いくさの時代へ―昭和十年代から敗戦まで;第4章 主権回復への道のり―昭和二十年代;第5章 高度成長と皇太子のご成婚―昭和三十~四十年代;第6章 大いなる昭和の終焉―昭和五十~六十年代


「彼方此方の空に粗茶一服」松村栄子

2024年09月17日 08時06分29秒 | 読書(小説/日本)


「彼方此方の空に粗茶一服」松村栄子

シリーズ最新刊で、最終刊。

P168
それよりも、一見控えめなこの嫁が時折見せる大胆さには瞠目すべきものがると、公子はあらためて佐保の顔をまじまじと見た。

P192
「争いごとはよくないことですが、それでもひとには闘わなければならないときもあります。命がかかっているときと名誉がかかっているときです。命がかかっているときには手段を選ばず、どんなずるいことをしてでも勝っていき残らなければなりません」中略)
「しかし、名誉がかかっている闘いは、フェアでなくては意味がありません。(後略)」

第六章「今出川家御息女の段」が特におもしろくて、即読み返した。
このシリーズは終了らしいが、スピンオフでまた描いてほしい。

今年もんくなしのベスト。
楽しめた。

【ネット上の紹介】
東京・本所の一角で、弓道、剣道、茶道を伝える〈坂東巴流〉。紆余曲折ののち、家元をつぐ決意をした長男・友衛遊馬の周りには、一癖も二癖もある面々があふれていて--。将来に不安を覚える遊馬の恋人・佐保が出会った呉服屋に隠された「秘密」、遊馬の一番弟子・伊織が直面したある事件、遊馬の京都時代の友人・翠と哲哉のなかなか進まない恋模様、留学した遊馬の弟子・珠樹のイギリス生活、友衛家の三代にわたる嫁姑関係、カンナと幸麿の娘・希の小学校サバイバル術、そして三十代になった遊馬の日々。巧みに織りなされる人間関係の機微と、茶の湯をはじめとする日本文化の奥深さに凛と姿勢が正される、読後感あたたかな7篇の人情譚。


「知らなかった、ぼくらの戦争」アーサー・ビナード/編著

2024年09月14日 12時25分37秒 | 読書(昭和史/平成史)

「知らなかった、ぼくらの戦争」アーサー・ビナード/編著

読み返し。
太平洋戦争を生き延びた人たちを訪ねてインタビュー。
 
P21
1941年12月の時点で、米軍はすでにレーダーを開発していたので、日本艦隊の動きをとらえ、特別な地位にいた一部の人間は、事前に把握できていたはずだ。「人的ミスによって現場への情報伝達が遅れた」というエクスキューズは、あまりに白々しく響き、(後略)

P86
軍隊の現場にはね、「星の数より飯の数」という言葉があります。つまり、偉そうに肩に星がついていて位が上でも、若くて経験のないヤツは現場ではなんの役にも立たん。

P39
米軍による日本への爆撃の指揮官だったカーチス・ルメイ大将って、いまだに許す気持ちになれないな。日本側にはもはや反撃する能力がないと、アイツはだれよりもわかっていて、それなのにドシドシ焼夷弾を落としまくって、日本中の都市を火の海にして、無差別殺戮を繰り返したんだ。とんでもない馬鹿野郎だと、俺は思っているよ。

P105
敵は大和の左舷ばかりを集中して攻撃したから、転覆するのは早かったです。

P111
日本の防衛省は現在、多数の駆逐艦を展開させているが、そうとは呼ばずに「護衛艦」というネーミングを利用している。

P154
沖縄戦で心に刻んだ最大の教訓は「軍隊は民間人を守らない」ということです。

P204
18回のミッションには広島と長崎の原爆投下も含まれ、それ以外に訓練のためだけに30の都市に9発の長崎型模擬原爆「パンプキン」を落としていたという事実が記されていたのです。つまり331の通常のミッションとは別に18の特別の作戦任務があったことを証明するもので、これまで人目に触れることがなかったのです。


【ネット上の紹介】
いつまで知らないでいるつもり!? アメリカ出身の詩人アーサー・ビナード氏(1967年生まれ)が、日本人の太平洋戦争体験者たちを訪ね歩き、戦争の実態と、個人が争いから゛生き延びる知恵゛を探ります。登場する語り手は、真珠湾攻撃に参加したゼロ戦の元パイロット、「毒ガス島」で働いた元女子学徒、戦後GHQで働いた元事務員など、実にさまざま。日本人以上に日本社会に詳しいビナード氏が、自身の受けたアメリカの教育とも照らし合わせながら戦争に対する考察を深めます。日本民間放送連盟賞・2016年番組部門[ラジオ報道番組]最優秀賞を受賞した、文化放送「アーサー・ビナード『探しています』」を採録して再構成した書籍です。「『平和』って、無知のままでいること?」 「『戦後』って、いつの戦争のあと?」
第1章 「パールハーバー」と「真珠湾」と「真実」(マリは蹴りたしマリはなし(栗原澪子)
「空母は何隻いたのか?」(原田要) ほか)
第2章 黙って待っていたのでは、だれも教えてくれない(まだあげ初めし前髪の乙女たちは毒ガス島で働いていた(岡田黎子)
「君は狭間という日本語を知っているか」(飯田進) ほか)
第3章 初めて目にする「日本」(「外地」は一瞬にして「外国」となった(ちばてつや)
「日本という国が本当にあった!」(宮良作) ほか)
第4章 「終戦」は本当にあった?(八月十五日は引っ越しの日?(三遊亭金馬)
ストロボをいっぺんに何万個も(大岩孝平) ほか)
第5章 一億総英会話時代(GHQは東京日比谷で朝鮮戦争の業務を遂行(篠原栄子)
公園はすべてを見てきた(小坂哲瑯) ほか)
 

「チンチン電車と女学生」堀川惠子/小笠原信之

2024年09月10日 08時29分11秒 | 読書(昭和史/平成史)


「チンチン電車と女学生 1945年8月6日・ヒロシマ」堀川惠子/小笠原信之

読み返し。

P10
被爆した70両のチンチン電車に乗務していた運転士・車掌の7割ほどが14歳から17歳の少女たちだった、という事実だ。

P117
隣の呉市が日本海軍の4大拠点の1つで海軍の町だったのに対し、広島市は陸軍の町だった。

P119
連合軍が本土に上陸して日本が2つに分断されるケースを想定し、鈴鹿山系で日本本土を東西に2分、第1総軍と第2総軍を置いたのである。

P126
中国の抗日都市・重慶に対する日本海軍航空隊の無差別爆撃は、1939年春から41年秋まで続いた。そして、218回の集中豪雨的な空襲により、1万1889人の重慶市民を死に追いやっている。この死者数を米軍の戦略爆撃による日本人死者数と比べると、広島、長崎、東京に次ぐものであり、同じく1万1000人台の死者を出した愛知、兵庫、大阪の空襲に匹敵する。



【ネット上の紹介】
原爆が炸裂したあの日も、チンチン電車は広島の街を走っていた。運転士と車掌の多くは14~17歳の女学生たち。兵隊に取られた男たちの代わりを務めていたのだ。本書は、彼女らが通った「幻の女学校」の存在を明らかにし、徹底した取材で、少女たちの青春と、8月6日のヒロシマを記録する。

[目次]
第1章 「幻の女学校」との出会い
第2章 広島電鉄家政女学校開校
第3章 女学生運転士の誕生
第4章 青春の日々
第5章 軍都・広島とチンチン電車
第6章 八月六日、午前八時十五分
第7章 地獄絵のなかを
第8章 復旧電車が走る
第9章 女学生たちの六〇


「原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年」堀川惠子

2024年09月06日 08時33分32秒 | 読書(昭和史/平成史)


「原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年」堀川惠子

読み返し。

P252
遺体の処理作業が一気に進められた背景には、真夏の炎天下、死体の腐敗が進むと伝染病が蔓延するため早急な対応が迫られたという事情もあったし、特殊爆弾の惨状を放置すると、本土決戦に向けた国民の士気にかかわるという背景もあった。

P273・・・動かなかった海軍兵学校
日本の将来を担う海軍エリートの卵に、放射能にまみれた現場で危険を冒させるわけにはいかない、(後略)

P283
原爆が投下される前、広島市の戸籍簿はすべて疎開させていたため無事だった。



【ネット上の紹介】
広島の平和記念公園にある原爆供養塔には、七万人もの被爆者の遺骨がひっそりとまつられている。戦前、この一帯には市内有数の繁華街が広がっていた。ここで長年にわたって遺骨を守り、遺族探しを続けてきた「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる女性がいた。彼女が病に倒れた後、著者はある決意をする―。氏名や住所がわかっていながらなぜ無縁仏とされたのか?はじめて明かされる、もうひとつのヒロシマの物語。本格ノンフィクション!
[目次]
第1章 慰霊の場
第2章 佐伯敏子の足跡
第3章 運命の日
第4章 原爆供養塔とともに
第5章 残された遺骨
第6章 納骨名簿の謎
第7章 二つの名前
第8章 生きていた“死者”
第9章 魂は故郷に


「名画と読むイエス・キリストの物語」中野京子

2024年09月02日 08時17分40秒 | 読書(宗教)
 

「名画と読むイエス・キリストの物語」中野京子

読み返し。

P20
古代ユダヤでは、男子は13歳、女子は12歳になると、一人前の成人とみなされた。したがって多くは十代半ばまでに結婚した。大工のヨセフと婚約者のマリアも、おそらく13歳から15歳の間だったと思われる。

『受胎告知』フラ・アンジェリコ

P58
イエスは洞窟の中で、40日間、断食と祈りを続けた。
40は聖なる数であり、何かを為すための準備期間として必要な数とされていた。モーセもエリヤも40日間荒野にこもったし、ノアの洪水も40日続き、人が母の胎内にいるのは40週と考えられた。イエスで言えば、復活後40日間この世にとどまっていた。エルサレムの滅亡は、イエスの死の40日後である。

P69
後にイエスはシモンに、ペテロ(岩の意)という名を与える。岩の上に教会を建て、「天国の鍵」を預けよう、と約束もした。

P70
ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂は、聖ペテロの聖堂という意味だ。絵画においては、十字架に釘で打ち付けられる白髪の老人姿でよく描かれる。

P177
イエスの処刑に、ローマ人たる自分は無関係だ、責任はおまえたちユダヤ人で取れ、と突き放したのだが、雪崩をうって突き進む群衆は、なんら恐れもためらいもなく、「その血は、我らと我らの子孫に帰すべし」と、歴史におけるユダヤ人観を決定づける答えを返すのだった。

P200
キリスト教における最重要の祝日といえば、復活祭(=イースター)。なぜならこの祭は、イエスが予言どおり復活したのを寿ぐ日、即ち、イエスが人間から神になった記念日だからだ。

【ネット上の紹介】
ドラマティックなイエス・キリストの物語画は、独創的な表現に満ちた傑作・名作のオンパレード。イエスのおおまかな生涯を知った上で西洋名画を楽しみたい―そう願う人のための、これは手引書である。
[目次]
幼子イエス;洗礼;荒野の修行;伝道;奇蹟;女たち;使徒たち;エルサレム;最後の晩餐;ゲッセマネ;裁判;磔刑;復活

「中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇」中野京子

2024年08月29日 07時08分12秒 | 読書(宗教)


「中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇」中野京子

読み返し。

P110
2008年、何とヴァチカンが新時代のため「七つの大罪」を発表した。
「遺伝子組み換え」
「人体実験」
「環境汚染」
「社会的不公正」
「貧困を起こすこと」
「淫らなまでに金持ちになること」
「麻薬」

P127
ガリラヤのナザレと町に住むマリアのもとに、ある日突然、大天使ガブリエルがあらわれ、「おめでとう(=アヴェ)と呼びかけた(これが歌に聞く「アヴェ・マリア」)。

P174
何しろ12人のうち11人までが北部ガリラヤ地方出身者なのに、ユダのみ南部ユダヤ地方カリオテ村の人間なのだ(したがって彼は「イスカリオテ(=カリオテの人)のユダ)と呼ばれる)。

【ネット上の紹介】
せっかく絵を味わいたいと思っているのに、宗教画だからと敬して遠ざけるのでは、あまりにもったいない。本書は、もっと宗教画を楽しみたい人、名画を通して聖書や歴史や画家について知りたいと思う人のための一冊です。[目次]
旧約聖書の章(鼻はやめて指に―ミケランジェロ『アダムの創造』;知恵と引き換えの死―クラナハ『楽園』/マザッチョ『楽園追放』;人類初の殺人者―ブレイク『アダムとイヴによって見つけられたアベルの肉体』/コルモン『カイン』;天までとどけ―ブリューゲル『バベルの塔』;神様は謎かけばかり―レンブラント『イサクの犠牲』/カラヴァッジョ『イサクの犠牲』 ほか);新約聖書の章(おめでとう、と言われても…―ダ・ヴィンチ『受胎告知』/ロセッティ『見よ、われは主のはしためなり』;誰も気づかない―ブリューゲル『ベツレヘムの人口調査』;有名人と記念撮影―アルトドルファー『東方三博士の礼拝』/ボッティチェリ『東方三博士の礼拝』;洗礼と生首―フランチェスカ『キリストの洗礼』/クリムト『ユーディット2/サロメ』;弟子たち―カラヴァッジョ『聖マタイの召命』 ほか)


「梅原猛、日本仏教をゆく」梅原猛

2024年08月24日 12時14分57秒 | 読書(宗教)

朝日文庫<br> 梅原猛、日本仏教をゆく 
「梅原猛、日本仏教をゆく」梅原猛

読み返し。

P90
空也が京都の都に現れたのは36歳のころであったが、人々は彼を市聖(いちのひじり)とよんだ。

P150
明治初年の廃仏毀釈において僧侶の妻帯が勧められ、さらに戦後、日本の僧はすべて肉食妻帯をするようになった。このような僧が、釈迦の定めた戒律を厳しく守る東南アジアなどの小乗仏教の僧からは、それでも僧かといわれるのはもっともであろう。

P175
イエスなくしてパウロはないが、パウロなくして今日のキリスト教はなかった。新約聖書にしても、そのもっとも重要な部分は四つのイエス伝と多くのパウロの手紙である。
 親鸞は東国で布教したが、その弟子はせいぜい数百にすぎなかった。しかし蓮如が死んだとき、浄土真宗の信者は数万、数十万に及んだ。(中略)
親鸞をイエス=キリストにたとえれば、蓮如はパウロにあたる。


【ネット上の紹介】
日本人はなぜ仏教に惹かれるのか?聖徳太子、空海、親鸞、日蓮から西行、千利休、一休、良寛、宮沢賢治まで。42人の仏教者に日本人の心の歴史を探った、著者ならではの力作。週刊朝日百科「仏教を歩く」好評連載の単行本化。
1 仏教の伝来
2 神と仏の融合
3 仏教の革命
4 仏教と芸術
5 禅の展開
6 近代の仏教者


広重展

2024年08月22日 07時10分51秒 | お出かけ

広重展







「アメリカの中学生が学んでいる14歳からの世界史」

2024年08月19日 07時15分17秒 | 読書(歴史/時代)


「アメリカの中学生が学んでいる14歳からの世界史」ワークマンパブリッシング

アメリカ中学生の学ぶ世界史。
500ページ超なので読み応えあり。

【理解度チェック】ユダヤ教の大きな特徴をいくつか挙げると?
【答え】一神教、イスラエル人と神との契約、十戒、預言者。

【理解度チェック】儒教や道教が、宗教というよりも哲学と考えられているのはなぜ?
【答え】宇宙における神の意味を追い求めるというよりは、人間のふるまいを分析するものだから。

【理解度チェック】スンナ派とシーア派のちがいは?
【答え】スンナ派は、信心深いイスラーム教徒の男性なら、だれでもイスラーム共同体のリーダーになれると考えていた。一方、シーア派は、ムハンマドの子孫こそが次の統治者になるべきだと考えていた。

【理解度チェック】神道の主な信条は?
【答え】神道では、自然や祖先の霊がいつもそばにると考える。

【理解度チェック】中世が始まったきっかけは?当時の西ヨーロッパをおさめていた王はだれ?
【答え】ローマ帝国が崩壊したことから中世が始まった。フランク人の王、カール大帝が、西ヨーロッパを掌握し、「ヨーロッパの王国」の神聖ローマ皇帝となった。

【理解度チェック】「ルネサンス」という用語はどんな意味?この時代を表すのに、ルネサンスという言葉が使われたのはどうして?
【答え】「再生」という意味。(中略)古代ギリシア・ローマの文化が再生したから。

【理解度チェック】「宗教改革」って何?
【答え】プロテスタントがローマ=カトリック教会から分離した変革のこと。

【理解度チェック】独立宣言を記したのはだれ?
【答え】トマス=ジェファソン。

【理解度チェック】アメリカの奴隷制を正式に廃止した修正条項は?
【答え】憲法修正第13条。

【理解度チェック】女性参政権がアメリカ全体で正式に認められたのはいつ?
【答え】1920年、憲法修正第19条を通じてアメリカ全土で正式に認められた。

【理解度チェック】1850年に太平天国の乱が始まった都市は?
【答え】南京

【理解度チェック】東インド会社って何?
【答え】インドとの貿易を独占するため、1600年につくられたイギリスの会社。

【理解度チェック】ソ連が崩壊したのはいつ?
【答え】1991年

【理解度チェック】アラブの春が始まったきっかけは?
【答え】2010年12月18日にチュニジアで始まった抗議運動。

【ネット上の紹介】
1時間目 最古の人類 先史時代~前3500年
2時間目 最初の文明 前3500年~後300年
3時間目 中世 476年~1500年
4時間目 ルネサンスと宗教改革 1350年~1650年
5時間目 大航海時代 1400年~1800年
6時間目 革命と啓蒙思想 1500年~1865年
7時間目 帝国主義の時代 1800年~1914年
8時間目 20世紀初頭の世界大戦 1914年~1945年
9時間目 第二次世界大戦後の世界 1945年~現在
シリーズ累計700万部突破!!むっちゃ面白くて、わかりやすい。学び直すならこの一冊! 全世界700万人が感動した「伝説の学習参考書」シリーズ日本上陸!!本書は、「人類の誕生から現代まで」をこの一冊で学びなおせる、グローバル視点の「世界史超入門」。学校の授業内容をすっかり忘れてしまった大人も子どもも、ゼロから学び直すならこの一冊! 中学生も大人も必読!!◎本シリーズのここがスゴい!!◎●2016年に発売を開始して以来アメリカで話題となり、中国・ドイツ・韓国・ブラジル・ロシア・ベトナム・ロシアなど8カ国にも広がり、全世界700万部を突破した学習シリーズ。●「クラスでいちばん頭のいい子が取った授業のノート」というコンセプトで作られている先生が教えるという参考書」とは違う等身大の世界観で貫かれていので、「上から目線でます。「全編オールカラー」&「手書き風ノート・ポップなイラスト」というワクワクする紙面が魅力。●原書のBIG FAT NOTEBOOKSというシリーズ名に相応しく各巻が500ページ以上あり、「本気でその科目を学びたい」という真面目な読者のニーズに耐えうるコンテンツボリューム。


「キリスト教でたどるアメリカ史」森本あんり

2024年08月16日 07時14分09秒 | 読書(宗教)

「キリスト教でたどるアメリカ史」森本あんり
 
P20
16世紀の覇者スペインは、キリスト教世界の威信をかけてオスマン帝国と戦い、カトリックの大義を掲げてオランダの反乱勢力と戦い、ヨーロッパの覇権を求めてフランスと戦ううちに、国力を使い果たしていった。

P97
19世紀に入ると、ヨーロッパでの産業革命の進行とジャガイモの不作で貧窮した移民が大量にアメリカに流入し、彼らの持ち込むカトリック信仰が次第に批判の標的とされるようになる。「ネイティヴィズム」(Nativism)と呼ばれる排斥運動は、この頃始まったものである。
 
 
P182
「ファンダメンタリズム」は、その後隆盛した「イスラム原理主義」との連想から、忌避される言葉となった。代わりに人々が自称として用いるようになったのが、広義に「プロテスタント」を意味する「福音派」(Evangelical)という呼称である。現代アメリカで使われる際の語感としては、聖書的な権威の尊重、贖罪と回心の重視、伝道への熱心などが共通して含意される。堕胎や同性婚などをめぐる見解は保守的で、特にこれらを議題とする人々を「宗教右派」と呼ぶこともある。
 
P219
アメリカ俗語では、クリスマスとイースターにだけ教会の礼拝に出席する人を「クリースター(Creasters)と呼ぶが、その数は年々増加している。

【ネット上の紹介】
アメリカがアメリカと「なってゆく」過程を知らずして、今日の実像を理解することはできない―。苦難の連続の建国前夜から陰謀論・反知性主義が渦巻く現代の混沌まで、彼の国を一貫して突き動かし、その寄る辺となってきた理念とは、まさしくキリスト教そのものであった。自由・寛容・狂信・傲慢…相反する両面を携えて、驀進する宗教国家の軌跡を一冊で通覧する。神学・宗教学の泰斗が記す、全く新しいアメリカ史。
「アメリカ」の始まり
ニューイングランドの建設
ピューリタンの信仰と生活
大覚醒
独立革命期
諸教会の伸展と変容
アンテベラム時代
新しい信仰の諸形態
南北戦争期
アメリカの膨張
二つの世界大戦
戦後から現代へ

「新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか」加藤隆

2024年08月12日 09時09分43秒 | 読書(宗教)


「新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか」加藤隆

P138
キリスト教の用語としての「エウアンゲリオン」は、ラテン語では単に発音を転記してラテン語の語尾を付したevangeliumとなる。(中略)英語のgospelは、「良い知らせ」という意味を翻訳したgood spellにあたる古英語・中期英語のgo(d)spellから由来したという。

P194
マルコ福音書には、他の福音書にはない大きな特徴がある。それは、マルコ福音書が最初に書かれた福音書だということである。

P207
マルコ福音書の著者マルコは、ペトロの秘書ないし通訳者であったと伝統的に言われている。

P213
ヘブライ語の「メシア」という語のギリシア語訳が「キリスト」である。

P273
マルコ福音書の著者はヘレニストのグループに属していた。したがってギリシア語で書いていたのである。(ヘレニストは反エルサレム教会)

P280
ギリシア語は当時の国際共通語であって、ギリシア語が選択されたことは、パレスチナの枠を越えて広範に拡大していたキリスト教世界全体を管理するためにはこの上なく好都合なことであった。一方ローマ帝国においては、1世紀の頃も、また4世紀になっても、文化的にはギリシア語の文化つまりヘレニスム文化が支配的だった。ギリシア語による支配は、ローマ帝国においては文化面における既存の基本的な支配構造だったのである。したがってギリシア語による支配構造が確立していたキリスト教は、ローマ帝国の国教として採用される上でも、大変整合的であったということができる。

【ネット上の紹介】
イエスが十字架にかけられてから30年もたって、最初の福音書は書かれた。なぜ?そして福音書が4つも書かれた理由は?イエスもその弟子達もアラム語を話していた。では、どうして新約聖書はギリシア語で書かれたのか?新約聖書の様々な謎を解き明かす、日本人のための聖書学入門。
1 聖書入門(契約としての「旧約」と「新約」
聖書の文書数
ユダヤ教の正典の成立 ほか)
2 新約聖書研究入門(十字架事件から新約聖書成立まで三百年
新約聖書の写本の問題―正文批判
新約聖書解釈の観点の問題 ほか)
3 新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか(マルコ福音書はなぜ書かれたのか
マルコ福音書におけるユダヤ人社会
マルコ福音書の社会思想 ほか)


「とめられなかった戦争」加藤陽子

2024年08月09日 08時06分01秒 | 読書(昭和史/平成史)
「とめられなかった戦争」加藤陽子

読み返し。
 
P41
太平洋戦争は、機動部隊こそが海上における決定的な戦力であることが明らかになった戦争です。ところが、その決定的な戦力である機動部隊を、日本はマリアナ沖海戦で失ってしまった。
 
P54
「日中戦争・太平洋戦争での戦死者三百十万人の大半は、サイパン以後の1年余りの期間に戦死している」
 
P120-121
日中戦争前の時期、中国では国民政府の指導のもとに日本製品のボイコットがおこなわれました。当時の常識では、ある国が他のある国のものをボイコットするのは国際法違反になるとされていました。(中略)
経済的にこうむった不利益に対して武力で仕返しをするのは穏当ではない、と当然思われるでしょう。でもこれを「相手が悪いことをしたのだから、武力攻撃をしてもいいのだ」と言い換えれば、この発想は現代にもしっかりいきのこっています。9・11の後にアメリカがアフガニスタンやイラクでおこなったことが、まさにこれだといえば、おわかりいただけるでしょう。1938年の日本と2001年のアメリカは、ほぼ同じ感覚で目前の戦争を認識していた。奇妙な、そしてある意味で恐ろしい一致であるというべきでしょう。
 
【ネット上の紹介】
なぜ戦争の拡大をとめることができなかったのか、なぜ敗戦の一年前に戦争をやめることができなかったのか。歴史の流れを決定づけた満州事変、日中戦争、日米開戦、サイパン陥落。この4つのターニングポイントから、歴史をさかのぼり、戦争へと突き進んだ激動の昭和を、人々の思いが今なお染みついた土地と史料から考えていく。
第1章 敗戦への道―1944年(昭和19年)(西太平洋の小さな島々
緒戦の大勝、そして暗転 ほか)
第2章 日米開戦決断と記憶―1941年(昭和16年)(国力と精神力
「泥沼」からの脱出めざして南進へ ほか)
第3章 日中戦争長期化の誤算―1937年(昭和12年)(長江をさかのぼって
自衛と膺懲 ほか)
第4章 満州事変暴走の原点―1933年(昭和8年)(「起こった」と「起こされた」
「満蒙」の誕生 ほか)

「あの戦争は何だったのか」保阪正康

2024年08月07日 08時10分04秒 | 読書(昭和史/平成史)


「あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書」保阪正康

読み返し。

P105
私は、この戦争が決定的に愚かだったと思う、大きな一つの理由がある。それは、「この戦争はいつ終わりにするのか」をまるで考えていなかったことだ。

P228
“勝ち戦”に乗じて日本の領土が欲しかったスターリンは、トルーマンに「我々は関東軍を掌握し、北海道方面に侵攻している。ソ連の制圧地域として北海道を認めて欲しい」と要求していた。しかし、トルーマンは、決してそれを認めなかった。スターリンはもう一度、「北海道が欲しい」と重ねて訴えるが、やはり断られてしまう。ならばと、「領土の代わりに、関東軍の兵を労働力としてもらう」と勝手に決めてしまった節があるのだ。
こうして「シベリア抑留」が行われた。

P234
「戦争が終わった日」は、8月15日ではない。ミズーリ号で「降伏文書」に正式調印した9月2日がそうである。いってみれば8月15日は、単に日本が「まーけた!」といっただけにすぎない日なのだ。
世界の教科書でも、みんな第2次世界大戦が終了したのは、9月2日と書かれている。

【ネット上の紹介】
戦後六十年の間、太平洋戦争は様々に語られ、記されてきた。だが、本当にその全体像を明確に捉えたものがあったといえるだろうか―。旧日本軍の構造から説き起こし、どうして戦争を始めなければならなかったのか、引き起こした“真の黒幕”とは誰だったのか、なぜ無謀な戦いを続けざるをえなかったのか、その実態を炙り出す。単純な善悪二元論を排し、「あの戦争」を歴史の中に位置づける唯一無二の試み。
[目次]
第1章 旧日本軍のメカニズム(職業軍人への道
一般兵を募る「徴兵制」の仕組み ほか)
第2章 開戦に至るまでのターニングポイント(発言せざる天皇が怒った「二・二六事件」
坂を転げ落ちるように―「真珠湾」に至るまで)
第3章 快進撃から泥沼へ(「この戦争はなぜ続けるのか」―二つの決定的敗戦
曖昧な“真ん中”、昭和十八年)
第4章 敗戦へ―「負け方」の研究(もはやレールに乗って走るだけ
そして天皇が動いた)
第5章 八月十五日は「終戦記念日」ではない―戦後の日本  


「ナグネ 中国朝鮮族の友と日本」最相葉月

2024年08月05日 07時39分54秒 | 読書(台湾/中国)

「ナグネ 中国朝鮮族の友と日本」最相葉月

P32
「中国でばかやろうとはいという日本語を知らない人はいないですよ」(中略)
「子どもの頃から、戦争ドラマは毎日テレビでやってましたからね。(中略)無意識のうちに反日にはなると思いますよ」

P46
安重根義士記念館を訪れた。韓国の朴槿恵大統領が訪中した際に習近平国家主席に設置を要請、中韓両国が水面下で調整を行い、ハルビン市と市鉄道局駅の貴賓室を改造して設立したものだ。(ハルビン市郊外には731罪証陳列館もある)

今年ベストの1冊、一気読みした。

【ネット上の紹介】
電車の行先を訊ねられたのがきっかけで親しくなった中国朝鮮族の女性と過ごした十六年間。実家の「地下教会」での抑圧された日々、日本で砕かれた夢と現実、植民地支配と戦争で分断され、移動を余儀なくされたナグネ(旅人)としての朝鮮族の歴史などを振り返り、東アジアを跨ぎ自立していく女性の姿を描くノンフィクション。
第1章 ハルビンにて
第2章 一九九九年春
第3章 日中韓のはざまで
第4章 朝鮮族と地下教会
第5章 帰国
第6章 ルーツ