「これは経費で落ちません」(5)青木祐子
シリーズ5作目。
次の5編が収録されている。
「佐々木真夕 初恋アレッサンドロ」
「山崎柊一 カラークリスタル」
「平松由香利 ゾンビと嘘と魔法の笛」
「中島希梨香 それでもあたしは男っぽい女」
「田倉勇太郎 三十八歳の地図」
今回は、趣向が異なる。
今まで、森若沙名子をヒロインとして物語が展開したが、
各短篇のタイトルを見て分かるように、本作は語り手が変わっていく。
過去のエピソードが、それぞれの脇役キャラクターから語られる。
P106
――大人の友情にはメンテナンスが必要です。
P177
P177
「(前略)いくら性格が良くたって、モテるブスなんてこの世に存在しないっつーの!」
【おまけ】
森若沙名子の座右の銘は「ウサギを追うな」。
「不思議の国のアリス」から来ていると思う。
好奇心に駆られてウサギを追ったため、厄介ごとに巻き込まれる話。
経理をしていると、裏事情が見えてくるが、それを追求していると、トラブルに巻き込まれてしまう。
自戒のための座右の銘、かと。
(「マトリックス」でも、ウサギを追ってトラブルの渦中に填まり込む)
【ネット上の紹介】
真夕が経理部に異動してきて一カ月半。異動直後にミスをしてからは、数字が怖くて仕方がない。そんな真夕のストレス発散を兼ねた趣味は、ヴィジュアル系バンドの追っかけだ。イチオシはCAROLINEのボーカル“アレッサンドロ”。追っかけ仲間からアレッサンドロも参加すると噂の、複数バンドの合同打ち上げに誘われ?森若さんをとりまく天天社員の人生模様。