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「これは経費で落ちません」(5)青木祐子

2019年04月24日 20時12分37秒 | 読書(小説/日本)
「これは経費で落ちません」(5)青木祐子

シリーズ5作目。
次の5編が収録されている。

「佐々木真夕 初恋アレッサンドロ」
「山崎柊一 カラークリスタル」
「平松由香利 ゾンビと嘘と魔法の笛」
「中島希梨香 それでもあたしは男っぽい女」
「田倉勇太郎 三十八歳の地図」

今回は、趣向が異なる。
今まで、森若沙名子をヒロインとして物語が展開したが、
各短篇のタイトルを見て分かるように、本作は語り手が変わっていく。
過去のエピソードが、それぞれの脇役キャラクターから語られる。

P106
――大人の友情にはメンテナンスが必要です。

P177
「(前略)いくら性格が良くたって、モテるブスなんてこの世に存在しないっつーの!」

【おまけ】
森若沙名子の座右の銘は「ウサギを追うな」。
「不思議の国のアリス」から来ていると思う。
好奇心に駆られてウサギを追ったため、厄介ごとに巻き込まれる話。
経理をしていると、裏事情が見えてくるが、それを追求していると、トラブルに巻き込まれてしまう。
自戒のための座右の銘、かと。
(「マトリックス」でも、ウサギを追ってトラブルの渦中に填まり込む)

【ネット上の紹介】
真夕が経理部に異動してきて一カ月半。異動直後にミスをしてからは、数字が怖くて仕方がない。そんな真夕のストレス発散を兼ねた趣味は、ヴィジュアル系バンドの追っかけだ。イチオシはCAROLINEのボーカル“アレッサンドロ”。追っかけ仲間からアレッサンドロも参加すると噂の、複数バンドの合同打ち上げに誘われ?森若さんをとりまく天天社員の人生模様。