P96
この世で何が嫌いかといって、男の人に二股をかけられることほど腹立たしいことはない。だから不倫には不向きだった。毎晩、他の女のところへ帰っていく男と、何が悲しくて恋愛をしなければならないのだろう。
P144
たとえば、少女時代はとても利発で、物の道理をよくわきまえていると評判だった娘さんが、三十歳を過ぎてから、つまらない男に狂って、人生を台なしにした例を私は何件も知っている。
P183
バリ島というと熱帯というイメージが強いが、六月から九月は乾季なのでカラッとしていて気温もさほど高くない。
【関連図書】
「なぜノンフィクション作家はお化けが視えるのか」工藤美代子
「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら」工藤美代子
【ネット上の紹介】
霊感はさほど強いないはずだが、なぜか奇妙なできごとに遭遇してしまう著者。生首の髪を切る美容院、不意に出現した線香の灰、誰もいないはずの家で階段を上がって来る衣ずれ、袋小路に向かって歩き去る人々―。「深入りは危険」とわかっていても、好奇心は止められない!飄々とした筆致で描きだされる風変わりなエピソードの数々は、ゾクリとする一方で、生命の儚さに想いを馳せさせる。山田太一氏、荒俣宏氏との対談も収録。
変な人たちがいる街
真夏に起きた不思議な話
眼を合わせてはいけない人たち
真冬の朝顔
時計だって嫉妬する
五ヵ月だけ住んだ家
なぜ着物なのですか?
会いたかったわ貞子さん
ヨシエさんの霊感
子供たちからのメッセージ
殺ス人ガイルカラ殺サレル
怖い顔の話
山田太一×工藤美代子 対談―突き詰めていけば、人はみな幽霊なのだ
荒俣宏×工藤美代子 対談―日常の中に“死者”と“あの世”を探して