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「ブッダは、なぜ子を捨てたか」山折哲雄

2023年11月06日 07時35分56秒 | 読書(宗教)

「ブッダは、なぜ子を捨てたか」山折哲雄

P92
最初の息子の誕生を迎えたシッダールタは、あろうことか、その息子に「悪魔」という名を与えた。

P130
キリストの十二使徒や、孔子の十哲とくらべてみると、仏の十大弟子のほうが、それぞれの弟子たちの個性をきわだたせようとする意図が強く働いているように私にはみえる。

P170
「涅槃の宗教」は、地上に静かに横たわるブッダの死=涅槃からはじまったが、「犠牲の宗教」は血塗られたイエスの死=犠牲から創始されたのである。

P214・・・インドでの仏教の衰退
十世紀前後を堺に、インドに侵入してきたイスラーム勢力によるたび重なる襲撃、聖地の破壊ということがえいきょうしたかもしれない。あるいは仏教の理念、とりわけその平等思想が、ヒンドゥー教社会にゆきわたっていた「カースト」的な枠組みと相容れなかったということもあるだろう。そして何よりも、ブッダの教えそのものがしだいにヒンドゥー教の信仰体系の中にとりこまれ、その中に混融していった事情も見のがすことができない。

【ネット上の紹介】
北インド・シャカ族出身の王子でありながら、自らの子に“ラーフラ(=悪魔)”と名づけ、さらに妻子を捨て、一族を捨てて家を出た若き日のブッダ!この仏教最大ともいえる謎に、宗教学の第一人者が挑む。そこから浮かび上がってきたのは、日本の仏教とはあまりに隔絶したブッダその人の思想であった。少子高齢化の時代を生きる二十一世紀の日本人にブッダは何を語りかけてくるのか。いまの日本にブッダを呼び戻し、その教えの真髄に迫る画期的な試み。

第1章 ブッダは、なぜ家を出たのか(「家出」にはじまる
理想の人生 ほか)
第2章 ブッダは、なぜ子を捨てたか(シャカも、捨て子同然であった
親を失った子どもに未来はあるか ほか)
第3章 ブッダの思想の真髄とは、どのようなものであったか(わが骨にかかずらうな
アーナンダの裏切り ほか)
第4章 ブッダの教えは、日本へどのように広まったか(アジアの周辺の国々へ
旅をする僧たち ほか)
第5章 ブッダは今、どこにいるのか(ブッダの姿をさがして
今なら死ねるか ほか)