DOG×POLICE 純白の絆
2011年/日本
駄作と傑作の曖昧な視点
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
主人公の早川勇作が薬物の不法所持者を捕らえようとしている最中に巻き添えにしてしまった通行人が獣医で、急いで自転車で送った先で犬の出産に立ち会うことになってしまったのであるが、アルビノとして仮死状態で産まれ、獣医にも見放された白い犬を人工マッサージで蘇生に成功出来た辺りから、本作に対する疑惑がむくむくと生じ始め、その犬があっという間に大きくなって早川勇作のバディ犬となってしまっている。連続爆破犯人は元警備員で警備の不備を警備会社に進言したがクビになってしまったことを恨みに思って、しかしその抗議のためではなくて何故か頭がおかしくなった愉快犯として連続爆破をしているように見える。
ラストで地下鉄の工事用置き場まで犯人を追い詰めた早川勇作は崩れてきたH形鋼に挟まれて動けなくなり、時限爆弾からシロだけでも逃そうとするが、驚くべきことにシロは現場から水野夏希がいるところまで走っていって再び夏希と共に勇作のところへ戻って来るまで約4分で成し遂げてしまう。
このようなツッコミ所はたくさんあるのだが、問題はこのことで本作を駄作と決め付けていいのかどうかである。本作に登場するスティーブン・ジュブズ(Steven Jubs)は勿論スティーブン・ジョブズ(Steven Jobs)のパロディであるのだが、もしかするならばこの作品自体が究極の人間ドラマのパロディではないのであろうか? そのように見るならば、スティーブン・ジュブズの講演会場に仕掛けられた大型の爆発物を探す際に、シロが怪しい扉を勇作に教え、勇作が夏希とその扉を開けた時にいきなり鉄の柱に遮られるところや、勇作がそのまま大型の爆発物を抱えて走って処理するところなど本作のツッコミ所が全てギャグに見えてくる。タイトルの『DOG×POLICE』も警察ものに動物を加えれば客は騙されて集まるだろうという‘悪意’が込められたメッセージと見倣せる。このような私の解釈は七剛監督も含めて肯定されないとは思うが、他にどのような楽しみ方があるというのだろうか?
ジョブズ氏、がん手術を9か月拒否…伝記発売へ(読売新聞) - goo ニュース
スティーブ・ジョブズは、2003年秋に膵臓がんと診断されてから約9か月間も外科手術を
拒否した理由を「体を開けてほしくなかった」と語っていたらしい。手術の代わりに食事療法
や漢方、はり療法などを試したようで、最先端の仕事をしておきながら、何故か医療は
最先端を選択しなかったことが不思議なのであるが、このような人がニューエイジ思想に
はまってしまうことは特別珍しいことではない。「本人は手術を延期した判断を後悔して
いた」そうだが、そのような“頑固さ”が数々の“奇跡”を生み出したのだから人生は難しい。