小沢一郎氏会見での「諍い」に関する読売新聞の記事に反論する【週刊・上杉隆】
10月20日の自由報道協会主催の小沢一郎会見における読売新聞社会部記者の
恒次徹の“ルール無視”を百歩譲って認めたとしても、結局、恒次徹は小沢一郎から
犯罪の決め手となる決定的な証拠となる発言を引き出せていないのだからルールを
無視した甲斐も無かったことになる。恒次徹は「政治資金収支報告書に誤りがあって、
それを国民の側が判断することが大事だという風におっしゃっているわけですから、その
判断を誤らせるような虚偽記入があった場合は、もし汚職とか横領とか脱税とかいうことが
なくても、これは実質的な犯罪と言えるんじゃないでしょうか」と小沢一郎に相変わらず同じ
質問をしている。当然小沢は「実質的犯罪が伴わない場合は、今まですべて収支報告書の
修正ですまされてきたという風に申し上げてきた」と言い、「私どもは虚偽記載しているとは
思っていないんですよ。だけど、例えば仮にそれが明白に虚偽記載、いわゆる間違った
報告書だったと、計算であれ、書く場所であれ、何であれ、その時はみんな修正報告で全部
今までは通っているわけです」と同じように答えるしかない。つまり恒次と小沢の間には
“虚偽”という言葉に温度差があり、恒次は小沢が故意に記入を偽った実質的犯罪と考えて
いるが、小沢は虚偽記入は意図したものではないという形式上の間違いだと考えている。
“小沢問題”はいつもこのやりとりの繰り返しである。恒次は新聞を読んでいないと思う。