原題:『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』
監督:西谷弘
脚本:東山狭
撮影:山本英夫
出演:ディーン・フジオカ/岩田剛典/新木優子/広末涼子/村上虹郎/渋川清彦/西村まさ彦/山田真歩
2022年/日本
目に対する「コンプレックス」について
アーサー・コナン・ドイルの原作ということでかなり期待して観に行ったが、何かの間違いではないかと思うことが多々あった。
作品の性格上、詳細はさけるが、推理の仕方が「逆」なのではないかと思う。事件の元となった原因、つまり本作においては蓮壁紅が幼少の頃に世界有数の資産家である蓮壁千鶴男の家に何故連れて来られたのか最初に解かなければならないはずだが、それが後回しになったために悲劇が起こったのであり、主人公の誉獅子雄が他人の言動に点数を付けている場合ではないのである。
さらに奇妙なのは大人になっても子供の時と大きさは変わらないという「目」に関する逸話である。この逸話は正確ではなく、冨楽雷太と朗子夫妻の1歳になる娘が行方不明になったのは2001年3月9日で、瞳を見ただけで約20年後に成人した娘を朗子は公衆トイレで偶然見つけ出したのであるが、さすがにこれは都合が良すぎるのではないだろうか? 実際に若宮潤一と紅は薬で眠らされ、冨楽雷太は疲れで眠ってしまったり、あるいは「魔犬」の「赤い瞳」などは目に対する監督の「コンプレックス」の表出のような気がしないでもない。
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