MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『マイ・ダディ』

2022-06-29 00:40:38 | goo映画レビュー

原題:『マイ・ダディ』
監督:金井純一
脚本:金井純一/及川真実
撮影:伊藤麻樹
出演:ムロツヨシ/奈緒/毎熊克哉/中田乃愛/臼田あさ美/徳井健太/永野宗典/光石研
2021年/日本

「卵」にまつわる物語について

 牧師の御堂一男はガソリンスタンドでアルバイトをしながら、娘で中学生のひかりを一人で育てている。妻の江津子は2006年に恋人でストリートミュージシャンのヒロの浮気現場を見て傷心してたどり着いた一男の務める協会にいたところを一男に見つかり、イースターエッグの制作を手伝ったことをきっかけにすぐに結婚するのだが、数年後、娘を連れてヒロを目撃した江津子はひかりが一男の娘ではなくヒロの娘だと気が付き、その直後に交通事故で亡くなったのは今から8年前だった。
 もちろん一男もひかりもその事実は知らなかったのであるが、ひかりが急性骨髄性白血病を患ったことをきっかけに事実を知ることになる。当然、一男は江津子の浮気を疑うことになり、これが本作のテーマとなるのだが、もう一つのテーマとして「卵」にまつわるメタファーが隠されていると思う。
 ヒロの浮気現場を見た時に、江津子は買い物の内の一つである卵を蹴って割ったまま部屋を出ていくことになるのだが、その後は初めはイースターエッグの制作に失敗しながらも上手く作れるようになり、本作のラストはひかりが両親の顔を描いたイースターエッグを飾って終わるのである。つまり浮気と、それを赦す過程における「卵の復活」がストーリーの流れにおいて上手く絡まれば良かったのであるが、惜しいことに成功しているようには見えなかった。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-92657


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