MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『やがて海へと届く』

2022-06-27 23:00:59 | goo映画レビュー

原題:『やがて海へと届く』
監督:中川龍太郎
脚本:中川龍太郎/梅原英司
撮影:大内泰
出演:岸井ゆきの/浜辺美波/杉野遥亮/中崎敏/鶴田真由/中嶋朋子/新谷ゆづみ/光石研
2022年/日本

猫のポーチと青いシュシュ

 主人公の湖谷真奈は28歳でホテルのダイニングバーで働いており、彼女は5年前に東日本大震災で消息を絶った大学で知り合った親友の卯木すみれを忘れられずにいるのだが、二人の相手に対する認識には微妙なズレがあると思う。
 そもそも二人の出会いの場面を思い浮かべるならば、すみれは自分が落とした猫のポーチを持っていた真奈を見て、たまたま彼女が勧誘されていたクラブにすみれは半ば強引に真奈を誘って一緒に入会するのだが、真奈がすみれの思い出として取っておいたのは新入生歓迎コンパの飲み会で飲み過ぎた真奈にすみれが渡した青いシュシュである。おそらくすみれは真奈に対して「一目惚れ」で仲人してくれたポーチの猫に頭が上がらなかったはずで、真奈のすみれに対する想いは優しい親友なのだと思うが、真奈はそのことに気がついていない。真奈が同性愛に対してどのような意見を持っているのかは詳らかにはされてはいないものの、東日本大震災ですみれが亡くなったことで、真奈にとってすみれは永遠の親友でいられることは間違いないと思う。
 この微妙な関係を浜辺美波が相変わらずの絶妙な演技で表現するのだから、駄作になりようがない。

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-128915


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