原題:『The Menu』
監督:マーク・マイロッド
脚本:セス・リース/ウィル・トレイシー
撮影:ピーター・デミング
出演:レイフ・ファインズ/アニャ・テイラー=ジョイ/ニコラス・ホルト/ホン・チャウ/ジャネット・マクティア/ジョン・レグイザモ
2022年/アメリカ
究極の「最後の晩餐」について
そもそもメニューには「献立表」や「料理」の他に「プログラム」という意味もあり、高級レストランのホーソンの世界的シェフであるジュリアン・スローヴィクの芝居がかった立ち振る舞いや、給仕長のエルサや精鋭スタッフたちの無駄のない機敏な動きから醸し出される空気が現実なのか芝居なのか招待客を混乱させるのである。
しかし招待客たちは料理評論家や大富豪や俳優などいわゆるエスタブリッシュメント(支配階級)で、それ故に彼らは自分たちが作り上げた「型」を壊すことができないし、彼らが高級に作り上げたレストランの「型」によって自縄自縛になったままシェフの言うことは絶対服従なのである。
だからマーゴが勝手にスローヴィクに自分が食べたいチーズバーガーを注文してテイクアウトできるのは船内で唯一エスタブリッシュメント出身ではないからなのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/otocoto/entertainment/otocoto-otocoto_83429