原題:『Saint Frances』
監督:アレックス・トンプソン
脚本:ケリー・オサリバン
撮影:ネイト・ハートセラーズ
出演:ケリー・オサリバン/ラモナ・エディス=ウィリアムズ/チャーリン・アルバレス/マックス・リプシッツ/リリー・モジェク
2019年/アメリカ
ナニーという職業について
2018年6月頃の話で、主人公で34歳のブリジットは作品冒頭で36歳で仕事も家族もなく死にたいと言っている男に「フラれた」ことからブリジットの状況の深刻さが暗示されている。ブリジットは大学を一年で止めてしまいレストランで給仕の仕事をしているのだが、環境は酷いもので、そんな時に辛うじてナニー(乳母)の仕事を得ることができるものの、黒人とヒスパニックのゲイの女性カップルの6歳の娘のフランシスにも翻弄されてしまう有様で、さらに中絶後の体調も芳しくなくなかなか生理が止まらないのである。逆に言うならばずっと生理による出血で下着やシーツや椅子などが汚れる場面が続き、見ていて気持ちが良いものとは言えないが、脚本を担っているのが主演を演じてもいるケリー・オサリバンだからこそ描けたとも言える。
しかし個人的に最も意外に感じたことは、ブリジットが一年通っていた大学の同級生とたまたま遭遇した際に、ブリジットがナニーをしているということで彼女はブリジットに自分の幼い息子の食事の世話もさせるというシーンで、アメリカにおいてさえナニーは社会的に低く見られているということで、結果的に女性同士が傷つけ合うことになってしまっているのである。同じことは母親のマヤが公園で幼い息子に母乳を与えているところを別の母親に見られて注意されるシーンにも言える。
ヘイリー・ヘインドリックスが2018年にリリースしたデビューアルバム『I Need to Start a Garden』に収録されている「オー・シャ・ラ・ラ」を和訳しておきたい。
「Oom Sha La La」 Haley Heynderickx 日本語訳
牛乳は腐ってしまい
私はほとんど大学には通っておらず
これまで自分が抱いた全ての夢に対して疑いを抱いている
私の存在感が最も高まるのは基本的にユーモア
私が執着できるのは歯のかみ合わせだけ
牛乳は腐っている
牛乳は腐ってしまい
私が執着して口に加えている唯一の親指の上の
オリーブオイルも酸化している
私には犬の気持ちが分かる
私が信用してきたこの世界は
恣意的な超音波検査図によって湾曲し曲げられ腐蝕する
牛乳は腐ってしまい
親指の上のオリーブオイルも酸化している
これまで自分が抱いた全ての夢に対して疑いを抱いている
私の存在感が最も高まるのは基本的にユーモア
私が執着できるのは歯のかみ合わせだけ
牛乳は腐っている
もしもあなたが外出しないのならば
何も起こることはない
彼女が揉んでしわくちゃになったナプキンの上に
電話番号を書くこともなく
彼女があなたの自尊心になることもなければ
彼女が障害になることもないし
彼女がザクロのようなあなたの心のようにあなたを食べることもない
私はその牛乳を投げ捨てる
オリーブも古びてしまった
私はカビで重くなりつつある自分の心にウンザリしている
私は庭園を始める必要がある
私は庭園を始める必要がある
私は庭園を始める必要がある
私は庭園を始める必要がある
家の裏庭で庭園を始めるつもり
私は家の裏庭で庭園を始めるつもりなの
だってこの歌を仕上げるのは同じくらいの大変さだから
だってこの歌を仕上げるのは同じくらいの大変さだから
Haley Heynderickx - "Oom Sha La La" (Official Music Video)
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