原題:『The Justice of Bunny King』
監督:ゲイソン・サバット
脚本:ソフィー・ヘンダーソン/グレゴリー・デヴィッド・キング
撮影:ジニー・ローン
出演:エシー・デイビス/トーマシン・マッケンジー/エロール・シャンド/ト二・ポッター/シャナ・タン
2021年/ニュージーランド
正当性の「按排」について
母親と社会福祉局を巡る諍いを扱った作品として『レディバード・レディバード(Ladybird Ladybird)』(ケン・ローチ監督 1994年)が有名だと思うが、およそ30年経っても状況は変わっておらず、それどころか悪化しているような感じがする。
主人公のバニー・キングは娘のシャノンと息子のルーベンと監視付きの面会でしか会うことができない。彼女は夫を殺害したということで服役していたのであるが(バニーによれば壁にぶつけられる娘を庇ったことによるものである)、仕事もなく自分の家が借りれないために妹のグレースとビーバンの夫婦の家に居候しており、運転中に停止した車の窓拭きをしながら家族との生活資金を稼いでいる。
更には姪のトーニャがビーバンの性被害を被っている場面を目撃し、バニーは2019年6月3日のシャノンの誕生日を祝うためにトーニャも連れて家出をするのであるが、当然のことながらバニーは誘拐犯として扱われる。
タイトルは「バニー・キングの正当性」という意味で、社会福祉局が把握しきれない点も多々あると思うのだが、毎日訪れる大勢の市民個々を丁寧に調査するだけの余裕が公的機関にはなく、そこで齟齬が生じてしまうのである。
しかし本作は社会を告発するというよりもサスペンスも交えた演出で、面白く仕上がっているように思う。
本作のテーマソングと言えるフォー・ノン・ブロンズが1993年にリリースした「ワッツ・アップ」を和訳しておきたい。個人的には名曲だと思うのだが、例えば、ザ・リバティーンズのカール・バラーやアメリカのロックバンド「ウィーン(Ween)」のメンバーのディーン・ウィーンがこの曲を最悪だと評価しているところが興味深い。フォー・ノン・ブロンズは途中から加入したギタリストのロジャーを除くと基本的に女性バンド。
「What's Up」 4 Non Blondes 日本語訳
25年を経て
私の人生はいまだに
目的地に向けて
あの希望の偉大な丘を登ろうと努力している
私がそうするべきだと知った時に
私はすぐに気が付いた
どのような意味であれ
世界は男性の連帯から成り立っていると
私がベッドに横になって
自分の頭の中にあるもの全てをさらけ出そうと
時々叫ぶと
気分が少し悪くなる
私が早朝に目覚めて外に出て
深呼吸して気分が高揚すると
肺を目いっぱい使って叫ぶの
「何が起こっているの?」
私は言う「ねえ、ねえ、ねえ、ねえ」
「ねえ、何が起こっているの?」と私は言った
私は努力している
私は頑張っている
この制度の中で私は努力している
私は祈っている
私は祈っている
毎日私は革命のために祈っている
私がベッドに横になって
自分の頭の中にあるもの全てをさらけ出そうと
時々叫ぶと
気分が少し悪くなる
私が早朝に目覚めて外に出て
深呼吸して気分が高揚すると
肺を目いっぱい使って叫ぶの
「何が起こっているの?」
私は言う「ねえ、ねえ、ねえ、ねえ」
「ねえ、何が起こっているの?」と私は言った
25年を経て
私の人生はいまだに
目的地に向けて
あの希望の偉大な丘を登ろうと努力している
4 Non Blondes - What's Up (Official Music Video)
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