BIUTIFUL ビューティフル
2010年/スペイン=メキシコ
‘ビューティフル’を求めて
総合 100点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
娘のアナに、「ビューティフル」という英語の綴りを訊かれた主人公のウスバルが「発音通りさ。BIUTIFULだよ」と答えたことに、ウスバルの教養の無さだけを認めるような観客は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督をしているということを勘案するならばまずいないとは思う。既に冒頭からウスバルの父親がウスバルに海鳴りと風の音を口まねで聞かせてくれており、海鳴りも風の同一の音でありながら実際は口まねでしかない、つまり‘ビューティフル’という同一の音なのに‘綴り’が違うという暗喩をいきなり示しており、丁寧にもラストでもう一度同じシーンが繰り返されるからである。
同一に見えるのに違うものがこの作品には散りばめられている。‘美しい’と思っていたものが違っていることがウスバルの苦悩の根元なのである。元妻のマランブラは一見元気そうに見えるのであるが、実は躁鬱病を患っている。健康を慮って中国人の移民たちのために購入した暖房機が故障してしまい、逆に一酸化炭素中毒を地下室に充満させた暖房機は移民たちを全員死なせてしまう。ウスバルはセネガルの不法移民のイヘを自宅に同居させて家賃と生活費として大金を手渡す。イヘが信頼できそうに見えたからであるが、イヘはそのお金を持って母国へ帰ってしまう。息子のマテオはおねしょが治らないが、ウスバル本人も末期癌のために‘ピピ’を漏らしてしまう。
相手に肉体があろうが無かろうが語りたい相手に語るウスバルは、なかなか‘ビューティフル’に至らないのであるが、最期にウスバルが娘のアナに託した指輪が‘本物’の指輪かどうかはともかく、それが‘ビューティフル’であることは間違いないであろう。
テレビ あす地デジ化 駆け込み 販売店どっと(産経新聞) - goo ニュース
地デジ直前!未対応の人ってどういう心境なの?(R25) - goo ニュース
ここでの私の疑問を正確に書くと「地デジ化することははっきりと分かっていたはず
なのに、何故アナログ放送終了直前になって駆け込むようにしてテレビを買い換える人が
たくさん出てきたのか」ということである。てっきり私は地デジ未対応の人たちはテレビ
と決別するつもりなのだと思っていたのであるが、どうも家電量販店は賑わっているらしい。
つまり地デジに未対応だった人たちには3種類のタイプがいるのである。“お金”を問題に
する人々と、TVと決別する人々と、そして地デジ化を本気にしていなかった人々である。
なでしこ、都庁V報告でビビった!(サンケイスポーツ) - goo ニュース
石原慎太郎は現在の東京都知事が誰なのか分かっていないのかもしれない。もしも
石原が現在の東京都知事が誰なのか分かっているならば、その人は2020年の夏季の
オリンピック開催に立候補を表明したくらいだから、スポーツには大いに関心があるはずで
ドイツ戦勝利の辺りでここぞとばかりに担当局長やサッカー協会やJOCを差し置いてでも
銀座のパレードを企画するはずなのである。東京都のトップに立つ人間であるならば
他人に責任を押し付けずに「都知事として銀座辺りでパレードを開催してあげたかった
けれども実現できなくて申し訳ない」と鮫島彩と熊谷紗希に優しく声をかけてあげれば
いいだけなのに、何故か石原慎太郎は選挙の前以外では謝罪しないという訳の分らない
ポリシーを持っているらしい。今回の“なでしこジャパン”のサッカー女子W杯の優勝で
明らかになったことは、わざわざ日本で五輪を開催しなくても、優勝すれば多大な経済効果
が期待できるということである。国際オリンピック委員会に無駄に注ぎ込むだけのお金が
あるのならば、その分を全て日本代表に投入すればお金は無駄にならずに済むのである。
やっと出た~松井秀が日米通算500号本塁打を達成!(夕刊フジ) - goo ニュース
2011年7月21日の毎日新聞夕刊の2人の野球解説者のコメントを引用しておきたい。
「立派は立派だが、彼の力からすれば遅すぎる。最低でもあと100本は上をいっていない
と……。王貞治に次ぐ本塁打打者が渡米して中距離打者になってしまったのは残念で
ならない。もう一度自分の打撃を見つめ直してほしい。」(張本勲)「松井の1号本塁打は、
ヤクルト監督として『内角をさばけるかどうか試してみろ』と高津に指示して打たれた。
見事に打ち返されて『これは本物だ』と思った。大リーグ移籍後は左方向への打撃が
増えた。膝を痛めたせいか、アベレージを優先するあまりフォームが小さくなり豪快さが
失われたように見えるのが残念。もう少し引っ張ってもいいのではないか。」(野村克也)
“感情論”の前者と“理論”の後者のどちらのコメントが的確で面白いのかは言うまでもない。
デビル
2011年/アメリカ
‘現人神’の可能性
総合 70点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
『デビル』は一応M・ナイト・シャマランの原案となっているが、本人も認めているように、‘密室’に集められた‘罪人’たちを10人から5人に変えた、1939年に発表されたアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった(And Then There Were None)』の翻案である。
『そして誰もいなくなった』はあくまでも推理小説であるが、『デビル』は真犯人とされるジェーン・コースキーの身体が密室のエレベーターから消えているためにサスペンス映画ではなく、オカルト映画になっている。
敢えてジェーンを殺人者ではなくて‘悪魔’にした理由は、自動車事故の際に、主人公のボーデンの妻と子供を見殺しにして5年間逃げていたトニーが、瀕死の状態のサラの代わりに命を差し出そうとした‘贖罪’をボーデンが受け入れることで、ボーデンを‘現人神’のように描こうという意図からだと思う。警備員のラミレスが最後に「もしも悪魔が実在するならば、神も実在するはずだ」というモノローグは、キリスト教信者が観るならばリアルに感じるのかもしれないが、個人的にはよく分からなかった。
冒頭の転倒しているフィラデルフィアの街並みを観るだけでも価値があるように思うのだが、このシーンが物語と全く絡んでいないことが惜しい。
「脱原発」発言、輸出に暗雲 海外、技術に需要 首相、方針示せず(産経新聞) - goo ニュース
孫氏プランに疑問符 太陽光コストは火力の3倍 岐阜県が試算(産経新聞) - goo ニュース
2011年7月20日の毎日新聞夕刊において藤原正司民主党参議院議員がインタビュー
に答えている。『「災害の原因は空前絶後の地震津波や。東電に責任を押しつけるのは
おかしい。莫大になる損害賠償を一民間企業が負担できるはずもない。そこに金を出し
たくない政府の思惑が見える」と独自の見解を示す。/さらに「半年もたてば、世論も
変わるわ。日本は農林水産業だけでは食べていけない。震災後、原発を減らせという
評論家が増えたが、産業・経済はどうなる。お父ちゃんの仕事がなくなってもええん
だったら検討しましょうよ」と続けた。』日本の産業・経済が原発だけで成り立っている
という、この関西電力出身者の意見は単純すぎて議論にさえならないのであるが、
「お父ちゃんの仕事がなくなってもええんだったら検討しましょうよ」という理屈こそが
今日までの原発のベースを成す“恫喝”まがいの物言いであることは間違いなさそうだ。
食品で内部被ばく、自然な状態の4分の1と試算(読売新聞) - goo ニュース
食品からの被曝「相当小さい」 厚労省審議会が見解(朝日新聞) - goo ニュース
「やむを得ない嘘」が招いた影響(産経新聞) - goo ニュース
申告頼み、虚偽想定外 秋田にもセシウム牛(産経新聞) - goo ニュース
汚染疑い牛、高島屋や小田急百貨店でも販売(読売新聞) - goo ニュース
放射能に関するニュースは放射能と同様な様相を呈している。例えば、厚生労働省の
審議会は12日公表した、福島第一原発事故による放射性物質を含んだ食品を1年間摂取
した場合の被曝線量を推計した上で「被曝は安全性の観点から相当小さいものにとどまる」
との見解を示したから安心だとならない理由は、福島県南相馬市の農家が出荷した肉用牛
11頭から国の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたことからも分かるように、
検査には限界があり、生産者の“良心”頼みだからである。今回“たまたま”牛からセシウム
が検出されたが、検出されないまま誰にも気がつかれずに放射能に汚染された食べ物を
食している可能性は大いに有り得るだろうし、塵も積もれば山になってしまうのである。
ハングオーバー!!史上最悪の二日酔い、国境を越える
2011年/アメリカ
‘二番煎じ’というハードル
総合 70点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』は原題が『The Hangover Part II』とあるように前作『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)の‘パート2’なので、前作を観ておかなければ分らないギャグが多々ある。
必然的に‘二番煎じ’となるために、色々と‘ハードル’が高くなる。例えば、前作ではダグの婚約者のトレーシーの父親のシドは‘独身最後のパーティー’に理解を示してくれていたが、本作のスチュの婚約者のローレンの父親は端からスチュを嫌っており‘独身最後のパーティー’を開くどころではない。だから前回のようなバカ騒ぎを起こしてはならないことは分かっているのであるが、やはりアランを仲間に加えた時点で‘ハング’が‘オーバー’することが周知の事実になってしまう。
舞台が前回のラスベガスから本作はバンコクに移り、土地柄ということもあると思うが、ギャグが更に下品になってしまっており、笑いと嫌悪が紙一重になり、その結果、‘二番煎じ’に抵抗するべく、前作のラストで灼熱の屋上から見つかるダグと、本作のテディが狭いエレベーターの中から見つかるなどの対照的な物語のコンストラクションを築き上げる工夫など個人的には嫌いではないが、‘失笑’が増えていることは間違いない。
諏訪内晶子さんコメント「修正申告し納税した」(読売新聞) - goo ニュース
バイオリニスト諏訪内さん、7千万円所得隠し(朝日新聞) - goo ニュース
諏訪内晶子はチャイコフスキー国際コンクールで第1位を取ってデビューした当初は
凄い才能が現れたと思ったものだが、その後は、諏訪内だけに限らないことだが、あまり
活躍しているような景気の良い話を聞かないのはヨーロッパで活動しているからかも
しれないが、何故か税務申告は日本でしていたようである。諏訪内は日本の所属事務所
「KAJIMOTO」を通じて最初は「毎年、きちんと納税している」とコメントを出していたが、
「海外所得に対する見解の相違と、事務手続きの不備による申告漏れを税理士から指摘
され、3月に修正申告した」とコメントし直した。海外公演の報酬を申告しないことが
“見解の相違”となるのだとするならば、諏訪内は海外所得は居住しているフランスで
申告していたというのだろうか 私は諏訪内が税務申告先を日本にした理由は日本の
方がごまかしやすいと高を括っていたのだと思う。個人的にはもうかなり長い間諏訪内の
CDを購入していないが、今回の件で今後二度と彼女のCDを購入することはなくなった。
なでしこ世界一…女子W杯、PK戦で米下す(読売新聞) - goo ニュース
なでしこ世界一=PK戦、米国倒し偉業―沢MVP、得点王・サッカー女子W杯(時事通信) - goo ニュース
たまたま目が覚めた頃に試合が始まったからなんとなく見ていたのであるが、まさか
これほど凄い試合になるとは想像もしていなかった。最初にアメリカにゴールされた時には
やはりアメリカに勝つのは無理だと、早くも諦めていたのであるが、その後日本もゴールを
入れて、なかなか粘るとは思ってもまだ勝つとは思わなかったが、再びアメリカにゴールを
許した延長戦の後半12分頃に沢穂希がゴールを決めた時には、2009年のワールド・
ベースボール・クラシックの決勝の韓国戦で、延長10回にセンター前に放ったイチローの、
ここしか有り得ないという決勝打を見るような感じだった。PK戦の時の日本選手はリラックス
して臨んでいたが、アメリカの選手は自分たちの置かれている状況がよく分かっていない
ような表情で、気がついたら負けていたというような感じに見えた。女子サッカーをメジャーに
したいと願い続けていた沢穂希の執念が今回の日本の優勝に繋がったように思う。