岡部幸雄、引退。
5年前くらいから何となく衰えたなあと感じて、2年前の長期休養以降は目に見えて衰えてたような気がします。私が初めて見た彼はまだ30代であったので、改めて56歳と言う年齢に歳月の流れを感じる次第。
関東で競馬をやっていれば、まず「このレースYukiはやんの?やんねーの?」と言う(笑)揶揄を込めたプロローグから始まるレースが星の数ほどあった筈だ。
Q.Aに当てはまる語句を以下のA~Eから選択せよ
岡部だから( A )
A.しかも松山厩舎だから大丈夫
B.しかも特別下りで平場回りだから大丈夫
C.善臣行かせてヤラズ
D.最終は来るだろ
E.人気のフトシに競るはずだ
まあ別に何番選んでもいいです(笑)。
上の例はほんの氷山の一角。岡部がそう言ったのをお前は聞いたのかよ!?とマジレスしたくなる程、大方の人間が「岡部って○○だろ?」とさも常識のように話す。大抵は府中の馬券ジジイの妄想が煮詰まった都市伝説としか言いようがないものだが(笑)。
馬券ジジイにとって「オカベだから」という接頭語を付けてしまえば、その下に続く語句の全ては意味を失う。私は一度「オカベだからヨメさんも許してくれるだろ!」と言う発言を聞いたことがあるのだが…冷静に考えると許してくれるわけないだろ!と思った(笑)。
しかし、やっぱり場所が競馬場であれば、
「そうだ!そうだよな?オカベだから○○だよな!○○に決まってる!」
つい膝をポンと打って納得してしまう。危険な魔法の合言葉。
そして10分後。
また被害者が、一人(笑)。
馬券優先主義のオヤジにタテ突く馬優先主義、岡部を信じて裏切られてヤジってまた信じて裏切られての無限ループ。この病も重くなると幻覚と妄想に悩まされ、うわ言を口走る。
「ああ、僕の脳内のYukiが…今日も新馬のド人気で…直線向いてあと100なのに…なんだか手綱を引いてテレテレ流してるよ…パトラッシュ、もう眠いんだ…」
この病気は、クロイツフェルトヤラズ病と言うらしい。
ともかく競馬新聞に「岡部」の文字が載る日の数だけ、馬券ジジイの心は性の芽生えを感じた12歳の男の子のようにwドギマギと揺れ動く。そんな府中の夕暮れが何度あったろうか。
好きとか嫌いとかの範疇を越えた部分で、ここまで意識をせずにいられない。
ともかく、「血が騒ぐ」騎手であった事。
それが、岡部幸雄の偉大さを雄弁に物語るのではなかろうか。
そして、苗字の下に、ここまで「バカヤロ~!」と「コノヤロ~!」の二つの修飾語が付いた人を私は知らない(笑)。
「よ~ぉ!ヨッちゃん!どーだったよ!」
「オカベのバカがよ~!」
で、ヨッちゃんの話したい事の全部が理解出来ませんか?(笑)。
そこまでの共通言語として昇華した人間を、偉大だと言わずして何と言う。
果たして引退式とか引退騎乗とかがあるのか…?
何となくヤツの性格を考えたら、会見やってそれでオシマイというようになるだろうなあ。
本町に続く歩道の下のバラック飲み屋では、今でも生気溌剌とした岡部が、府中オヤジの夢の中で走っている。
「…ちっくしょ、オカベの野郎、またヤラズかよ…」
おっちゃん、オカベはもう、いないんだよ。
マエストロ、永遠なれ。
5年前くらいから何となく衰えたなあと感じて、2年前の長期休養以降は目に見えて衰えてたような気がします。私が初めて見た彼はまだ30代であったので、改めて56歳と言う年齢に歳月の流れを感じる次第。
関東で競馬をやっていれば、まず「このレースYukiはやんの?やんねーの?」と言う(笑)揶揄を込めたプロローグから始まるレースが星の数ほどあった筈だ。
Q.Aに当てはまる語句を以下のA~Eから選択せよ
岡部だから( A )
A.しかも松山厩舎だから大丈夫
B.しかも特別下りで平場回りだから大丈夫
C.善臣行かせてヤラズ
D.最終は来るだろ
E.人気のフトシに競るはずだ
まあ別に何番選んでもいいです(笑)。
上の例はほんの氷山の一角。岡部がそう言ったのをお前は聞いたのかよ!?とマジレスしたくなる程、大方の人間が「岡部って○○だろ?」とさも常識のように話す。大抵は府中の馬券ジジイの妄想が煮詰まった都市伝説としか言いようがないものだが(笑)。
馬券ジジイにとって「オカベだから」という接頭語を付けてしまえば、その下に続く語句の全ては意味を失う。私は一度「オカベだからヨメさんも許してくれるだろ!」と言う発言を聞いたことがあるのだが…冷静に考えると許してくれるわけないだろ!と思った(笑)。
しかし、やっぱり場所が競馬場であれば、
「そうだ!そうだよな?オカベだから○○だよな!○○に決まってる!」
つい膝をポンと打って納得してしまう。危険な魔法の合言葉。
そして10分後。
また被害者が、一人(笑)。
馬券優先主義のオヤジにタテ突く馬優先主義、岡部を信じて裏切られてヤジってまた信じて裏切られての無限ループ。この病も重くなると幻覚と妄想に悩まされ、うわ言を口走る。
「ああ、僕の脳内のYukiが…今日も新馬のド人気で…直線向いてあと100なのに…なんだか手綱を引いてテレテレ流してるよ…パトラッシュ、もう眠いんだ…」
この病気は、クロイツフェルトヤラズ病と言うらしい。
ともかく競馬新聞に「岡部」の文字が載る日の数だけ、馬券ジジイの心は性の芽生えを感じた12歳の男の子のようにwドギマギと揺れ動く。そんな府中の夕暮れが何度あったろうか。
好きとか嫌いとかの範疇を越えた部分で、ここまで意識をせずにいられない。
ともかく、「血が騒ぐ」騎手であった事。
それが、岡部幸雄の偉大さを雄弁に物語るのではなかろうか。
そして、苗字の下に、ここまで「バカヤロ~!」と「コノヤロ~!」の二つの修飾語が付いた人を私は知らない(笑)。
「よ~ぉ!ヨッちゃん!どーだったよ!」
「オカベのバカがよ~!」
で、ヨッちゃんの話したい事の全部が理解出来ませんか?(笑)。
そこまでの共通言語として昇華した人間を、偉大だと言わずして何と言う。
果たして引退式とか引退騎乗とかがあるのか…?
何となくヤツの性格を考えたら、会見やってそれでオシマイというようになるだろうなあ。
本町に続く歩道の下のバラック飲み屋では、今でも生気溌剌とした岡部が、府中オヤジの夢の中で走っている。
「…ちっくしょ、オカベの野郎、またヤラズかよ…」
おっちゃん、オカベはもう、いないんだよ。
マエストロ、永遠なれ。