青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

日本の原風景

2007年01月03日 21時26分29秒 | 日常
(写真:平成19年の初日の出@栃木県藤岡町)

松之山に行く途中で夜明けを迎えたので、初日の出を拝んでみた。
渡良瀬川の朝霧の向こうから、卵の黄身のような太陽が昇って来る。
初日の出と言うものを初めて見たのだが、幻想的なものですねえ。
ちなみにへんしうちょは車の中で寝ていたが(笑)。

と言うわけで、新春一発目の遠征(「へんしうちょと三十路男二人松之山温泉慰労ツアー」)も終わり、あっという間に正月休みは終わって明日から仕事です。早いもんだ。

今回のツアーは別に何をやったって訳でもなく、チェックインの14時にはもう宿に入ってたんですよね。お泊りは「庚申の湯・植木屋旅館」。一昨年の6月に宿泊してるんで、こことかこことか見ていただければ。チャキチャキの中尾ミエみたいな姉御っぽい女将さんが切り盛りしているのは変わらず。

年末は仕事に遊びにお互いハードスケジュールの慰安旅行。へんしうちょは部屋で昼寝したりしてテレビ見たり。私はカメラ片手に車で散歩したり。それぞれが思い思いの行動。旅慣れた仲間は気兼ねがないのがいい。ちなみに、松之山には泊まりを含めてもう5回くらい来てるんだけど、鳴子に匹敵する「マイお気に入りフォルダ」の町です。携帯もあんまり繋がらないし、町にはしもた屋みたいなヤマザキショップが1軒と、雑貨屋程度しかないんで不便なんだけどね。町の中心部と駅を結ぶバスの本数はこんなもん。だいたい元日は全便運休と言うのが…東頸バス、ナメている(笑)。

松之山は、新潟県南部の東頸城丘陵と言う地滑りが多発する豪雪地帯。おそらく住むには相当難儀な町でしょう。それだけに開発からは見放され、実に心洗われるような「正しいニッポンの田舎」と言う風景が今も残っている。
丘の上に立つ宿の前からの風景。低く連なる東頸城丘陵の向こうに、真っ白に雪をかぶった守門(すもん)岳が見える。すっぽりと雪に覆われた丘陵地には、誰かの足跡が点々と続く。見事なヴァージンスノーが午後の日を浴びて輝いている。その日差しは、沢沿いの狭い耕地に広がる棚田に差し込んで、見事な陰影を表す。雪に閉ざされた山里の自然の厳しさと生活の厳しさは信仰心となって、丘の上の薬師堂では毎年1月15日にお祭りをやるらしい。5mの崖の上から雪の中に新婚さんの婿を投げ込むと言うトンデモ祭りのようだがw

宿に戻って宴会。マグロの刺身と炊き立てコシヒカリが美味い。食い切れないほど出て来る料理に舌鼓を打ち、お笑いウルトラクイズで爆笑。宿の皆さん、お騒がせしましたwこちらはニッポンのお約束。江守徹はアブノーマル。
笑い過ぎて疲れた後は、静かに温泉なぞ。1000万年前の海水が地上に吹き出た「ジオプレッシャー型」と言う非常に珍しいタイプの温泉で、恐ろしく塩辛く苦いのが特徴。にがりを舐めたような味がする。湯上りは海水浴の後のように体がベタベタするのが難だが、塩のせいか物凄く暖まる湯で、雪国にはこのくらいでちょうどいいのかもねえ。何しろ、明治の創業当時からの歴史ある木造の浴室の雰囲気がいいんだよなあ。裸電球の下でウトウトと時を忘れる。

寝しなに窓から見上げる月。初春の月はおぼろ。
初夢も見ないほどに、ぐっすりと良く眠れましたねえ。
コメント
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