(画像:車窓の柿@フルーツパーク駅)
ローカル線に似合う木は、柿なんじゃないかと。
車窓にたわわに実る柿は、日本の秋の色。
天竜二俣で乗り換え、さらに西を目指します。
出発すると天竜市街に埋もれたような小さな二俣本町駅を過ぎ、トンネルを抜けると遠州の大河・天竜川を渡る。400mほどのなかなか長い橋だ。トラス部分が少ないので、非常に見晴らしがいい。橋を渡ると西鹿島(にしかじま)。ここからは浜松に向かって遠州鉄道が出ている。本当の天竜の市街は天竜二俣駅付近なので、天竜二俣から乗って来た客は半分くらいここで下車する。遠鉄で浜松までは30分程度らしい。
軽くなった列車は、岩水寺を過ぎて宮口駅へ。ここで途中下車。この駅名板のスタイルも懐かしいですねえ。この独特のフォントといい、「国鉄」の香りがする構造物だと思う。これといい、高速道路の標識の文字といい、正式名称は何と言う字体なのだろうか。
何の変哲もないこの駅で降りたのは、フリーきっぷについてた案内に書いてあった駅の近くの日帰り温泉へ向かうためです(笑)。さっきサイクリングで汗かきまくっちゃったから、さっぱりと汗を流して着替えたいので…まあ案内にはもっと載せるべき情報があると思うのだが。車庫見学の可否とか(←しつこい)。
と、ここまで書いたところで親からメールが来た。「松浦鉄道に乗ってたびら平戸口駅に行って来ました!」とか言ってる…親子でテイストが似ている訳だが…。つか、松浦鉄道のフリーきっぷはYeah!めっちゃホリデーパスとかだったりするんだろうか。どうでもいいね。
話を戻す。
宮口駅はホーム2本の無人駅。降りた人は自分一人しかいなかったが、ここから北に2kmのところにある「浜北天然温泉・あらたまの湯」へ向かう。一応温泉まではバス路線があるのだが、この列車には接続していなかったので歩く事とする。
この辺りの地名である「あらたま」とは古代の天竜川の呼び名で、「粗い」と言う意味があると言う。まだ磨かれていない玉を「あらたま」なんて言ったりしますよね。天竜川の中流部分で、ゴツゴツした石が転がってる様を表したのだろうか。
ちなみに「あらたま」とはこう書くらしい。読めねーよw
「あらたまの湯」へは、宮口駅から殺風景なブタクサの原っぱの中を歩き、第2東名の建設現場をくぐって北へ20分程度で到着。上り坂なのでさらに追加の汗をかく。今日はかなり運動しておりますw
温泉は出来たばっかりで新しく、ナトリウム炭酸水素塩泉(旧名 重曹泉)のいわゆる「美人の湯」だそうだ。確かにヌルヌルツルツルするお湯で、出た後は特に爪がスルスルになりました。NY後はさすがにボーっとしてしまい歩く気にもならないので、バスを待って宮口駅へ戻る事にする。あっという間に宮口駅。バスはええw
ここからは再び新所原行を待って乗車。ゆっくりしてるとあっという間に秋の日は傾いてしまうので先を急ぐのだが、急いでも列車はフルーツパーク、都田、浜松大学前、金指と一個一個の駅を丹念に止まって行く。金指駅で上下列車の交換の合間に駅舎まで歩いて行って缶コーヒーを買い、ホームの端の灰皿へ行って一服するのもローカル線の愉しみじゃないかと(笑)。
気賀高校前、気賀を過ぎ西気賀からは車窓左側に浜名湖の入り江が見えて来る。西気賀から見る引佐(いなさ)細江。サッパ船と海苔のイカダが浮かぶ奥浜名湖の風景は、何度か見た事はあるが車窓から見るとまた違う。次はホームから浜名湖が望める寸座(すんざ)駅。左側は浜名湖、左手はお茶畑からいつの間にやらみかん山が続いている。浜名湖佐久米駅はホームの目の前が入り江で、白鳥が羽を休めていた。
東都筑、都筑、三ヶ日とつるべ落としの秋の日に足を速めるように列車は走る。車窓は引佐細江から猪鼻湖へ変わって、右手はみかん山のゴロゴロとした橙色が早くも傾きかけた西日に照らされてその色を濃くしている。
三ヶ日を過ぎると豊橋方面へ向かう乗客が若干増え、こちらも車内の暖かさについウトウトしながら奥浜名湖。尾奈から知波田にかけては右も左もみかん山の峠を越えて行く。車窓から浜名湖が離れて最後の駅・アスモ前を過ぎるとあっという間に左から東海道線が近付いて終点・新所原到着。
掛川から37駅、寄り道しながら半日かかって全線を踏破しました。
やっぱりこの駅も掛川と同じように、東海道線にへばりつくようにホームと駅舎がある。ここから東海道線に乗れば掛川までは1時間かからないのだが、随分と遠回りをしたものだ。
新所原の狭い駅舎の中には、乗務員の詰め所と浜名湖らしくうなぎ屋が店を出しており、浜名湖産の地物のうなぎを焼くタレのいい匂いが駅の中はおろかホームまで漂っているのでありました(笑)。
地物らしく値段は少々高かったので、匂いをかぐだけに留めましたがw
西日を浴びて出発を待つTH-9200「宝くじ号」。この車両は、液晶モニタやカラオケ装置を搭載したアミューズメント型車両で、転換クロスシートなのでバタンと背もたれを倒してボックスを作る事が出来る。ちなみに、天浜線には1両しか在籍しておりません。16時06分新所原発掛川行き、掛川到着は18時15分。この車両で折り返すことにしましょう。
三ヶ日の手前で宇利峠の向こうに太陽が沈むと、あっという間に真っ白い月が東の空に顔を出して煌々と輝き始めた。元来た道を帰るのと、車窓も夜になってしまった事もあり完全に眠りこけてしまったのだが、それでも静かに走り続けるのが鉄道の旅の利点だろう。三ヶ日を過ぎると天竜二俣まで車内は最大3人。すっかり夜の帳が降り、窓の外が寒くなった。真っ暗の遠州森駅、あの駅長ももうご帰宅の模様。
月に照らされた遠州路を列車は黙々と走る。桜木駅で下り列車と最後の交換待ち。外に出ると、寒さで鼻の奥がツーンとなった。
新所原から2時間強、掛川に到着。真っ白に輝く掛川城がお出迎えです。
いやあ、たっぷり堪能しました。お疲れ様でした。
今度は、天竜二俣の転車台をちゃんと見に行こうと思うw
ローカル線に似合う木は、柿なんじゃないかと。
車窓にたわわに実る柿は、日本の秋の色。
天竜二俣で乗り換え、さらに西を目指します。
出発すると天竜市街に埋もれたような小さな二俣本町駅を過ぎ、トンネルを抜けると遠州の大河・天竜川を渡る。400mほどのなかなか長い橋だ。トラス部分が少ないので、非常に見晴らしがいい。橋を渡ると西鹿島(にしかじま)。ここからは浜松に向かって遠州鉄道が出ている。本当の天竜の市街は天竜二俣駅付近なので、天竜二俣から乗って来た客は半分くらいここで下車する。遠鉄で浜松までは30分程度らしい。
軽くなった列車は、岩水寺を過ぎて宮口駅へ。ここで途中下車。この駅名板のスタイルも懐かしいですねえ。この独特のフォントといい、「国鉄」の香りがする構造物だと思う。これといい、高速道路の標識の文字といい、正式名称は何と言う字体なのだろうか。
何の変哲もないこの駅で降りたのは、フリーきっぷについてた案内に書いてあった駅の近くの日帰り温泉へ向かうためです(笑)。さっきサイクリングで汗かきまくっちゃったから、さっぱりと汗を流して着替えたいので…まあ案内にはもっと載せるべき情報があると思うのだが。車庫見学の可否とか(←しつこい)。
と、ここまで書いたところで親からメールが来た。「松浦鉄道に乗ってたびら平戸口駅に行って来ました!」とか言ってる…親子でテイストが似ている訳だが…。つか、松浦鉄道のフリーきっぷはYeah!めっちゃホリデーパスとかだったりするんだろうか。どうでもいいね。
話を戻す。
宮口駅はホーム2本の無人駅。降りた人は自分一人しかいなかったが、ここから北に2kmのところにある「浜北天然温泉・あらたまの湯」へ向かう。一応温泉まではバス路線があるのだが、この列車には接続していなかったので歩く事とする。
この辺りの地名である「あらたま」とは古代の天竜川の呼び名で、「粗い」と言う意味があると言う。まだ磨かれていない玉を「あらたま」なんて言ったりしますよね。天竜川の中流部分で、ゴツゴツした石が転がってる様を表したのだろうか。
ちなみに「あらたま」とはこう書くらしい。読めねーよw
「あらたまの湯」へは、宮口駅から殺風景なブタクサの原っぱの中を歩き、第2東名の建設現場をくぐって北へ20分程度で到着。上り坂なのでさらに追加の汗をかく。今日はかなり運動しておりますw
温泉は出来たばっかりで新しく、ナトリウム炭酸水素塩泉(旧名 重曹泉)のいわゆる「美人の湯」だそうだ。確かにヌルヌルツルツルするお湯で、出た後は特に爪がスルスルになりました。NY後はさすがにボーっとしてしまい歩く気にもならないので、バスを待って宮口駅へ戻る事にする。あっという間に宮口駅。バスはええw
ここからは再び新所原行を待って乗車。ゆっくりしてるとあっという間に秋の日は傾いてしまうので先を急ぐのだが、急いでも列車はフルーツパーク、都田、浜松大学前、金指と一個一個の駅を丹念に止まって行く。金指駅で上下列車の交換の合間に駅舎まで歩いて行って缶コーヒーを買い、ホームの端の灰皿へ行って一服するのもローカル線の愉しみじゃないかと(笑)。
気賀高校前、気賀を過ぎ西気賀からは車窓左側に浜名湖の入り江が見えて来る。西気賀から見る引佐(いなさ)細江。サッパ船と海苔のイカダが浮かぶ奥浜名湖の風景は、何度か見た事はあるが車窓から見るとまた違う。次はホームから浜名湖が望める寸座(すんざ)駅。左側は浜名湖、左手はお茶畑からいつの間にやらみかん山が続いている。浜名湖佐久米駅はホームの目の前が入り江で、白鳥が羽を休めていた。
東都筑、都筑、三ヶ日とつるべ落としの秋の日に足を速めるように列車は走る。車窓は引佐細江から猪鼻湖へ変わって、右手はみかん山のゴロゴロとした橙色が早くも傾きかけた西日に照らされてその色を濃くしている。
三ヶ日を過ぎると豊橋方面へ向かう乗客が若干増え、こちらも車内の暖かさについウトウトしながら奥浜名湖。尾奈から知波田にかけては右も左もみかん山の峠を越えて行く。車窓から浜名湖が離れて最後の駅・アスモ前を過ぎるとあっという間に左から東海道線が近付いて終点・新所原到着。
掛川から37駅、寄り道しながら半日かかって全線を踏破しました。
やっぱりこの駅も掛川と同じように、東海道線にへばりつくようにホームと駅舎がある。ここから東海道線に乗れば掛川までは1時間かからないのだが、随分と遠回りをしたものだ。
新所原の狭い駅舎の中には、乗務員の詰め所と浜名湖らしくうなぎ屋が店を出しており、浜名湖産の地物のうなぎを焼くタレのいい匂いが駅の中はおろかホームまで漂っているのでありました(笑)。
地物らしく値段は少々高かったので、匂いをかぐだけに留めましたがw
西日を浴びて出発を待つTH-9200「宝くじ号」。この車両は、液晶モニタやカラオケ装置を搭載したアミューズメント型車両で、転換クロスシートなのでバタンと背もたれを倒してボックスを作る事が出来る。ちなみに、天浜線には1両しか在籍しておりません。16時06分新所原発掛川行き、掛川到着は18時15分。この車両で折り返すことにしましょう。
三ヶ日の手前で宇利峠の向こうに太陽が沈むと、あっという間に真っ白い月が東の空に顔を出して煌々と輝き始めた。元来た道を帰るのと、車窓も夜になってしまった事もあり完全に眠りこけてしまったのだが、それでも静かに走り続けるのが鉄道の旅の利点だろう。三ヶ日を過ぎると天竜二俣まで車内は最大3人。すっかり夜の帳が降り、窓の外が寒くなった。真っ暗の遠州森駅、あの駅長ももうご帰宅の模様。
月に照らされた遠州路を列車は黙々と走る。桜木駅で下り列車と最後の交換待ち。外に出ると、寒さで鼻の奥がツーンとなった。
新所原から2時間強、掛川に到着。真っ白に輝く掛川城がお出迎えです。
いやあ、たっぷり堪能しました。お疲れ様でした。
今度は、天竜二俣の転車台をちゃんと見に行こうと思うw