(長い旅路の果て@河口湖駅)
先日、国鉄色の189系豊田区M51編成にて運行された、最後のホリデー快速富士山号。裏高尾から始めた追っ掛けの旅は、都留市~三つ峠とシャッターを切りながら終点の河口湖へ。駅前の駐車場にクルマを放り込むやいなや、「早く早く!」と興奮した子供がドアを開けて駆け出していく。おお~い、そんなに急いでクルマにでも轢かれちまったらどうすんだ!と声を上げながら子供の背中を追い掛けます。やおら踏切が鳴り出し、のっそりとカーブの向こうから顔を出した国鉄色の特急電車が、いかにも長い旅路の果て、と言った感じでゆっくりゆっくりと河口湖の駅に入線して来ました。
車内にはお名残り乗車と思しき満員の乗客。ここのところの189系フィーバーでは、富士急行にしてみたら乗車券収入だけでも結構ホクホクだったんじゃないかなあ…なんて俗っぽいことを考えながらシャッターを切っていた。子供が手を振るその先で、車掌さんがまるで車両の気持ちを代弁するかのように、満面の笑みで大きく手を振り返した。子供にしてみればいつものようにした事だったかもしれないけど、振り返された手のその意味と言うか…まあ、大げさかもしれないけどちょこっとした寂しさみたいなものがあって、センチメンタルにもなろうというものです。思えばこのM51編成、自分と同世代だったんだよね。いったいこれまでどのくらいの距離を走り、どれくらいの人を運んできたのか…
3月16日、ダイヤ改正前夜。今日で舞台を降りるすべての列車に、お疲れさまでした。