(Switch Back@大平台駅)
湯本から強羅まで、出山・大平台・上大平台と3回のスイッチバックを使って箱根の山を登る登山電車。勾配を緩和するためにジグザグに登って行くための設備ですが、出山と上大平台は信号場なので下車は出来ません。スイッチバックをゆっくり眺めるのなら大平台の駅が一番いい。エンド交換をした強羅行きの108+ヨンロクのコンビが、スプリングポイントを割り出して発車して行きます。
雨の日も風の日も短時間のエンド交換で前と後ろを行ったり来たり。登山電車の運転士さんと車掌さんは、それだけでも何だか忙しくて大変そう。連休や行楽シーズンの多客期は、列車交換とスイッチバックのエンド交換に時間を要するので、遅れが出始めるとなかなか回復が難しくなります。
登山電車は慎重なブレーキ操作を必要とするため未だに全車がツーハンドルですが、モハ1・2型はブレーキハンドルが着脱式になっている昔ながらのタイプ。使い込まれた真鍮の輝きが、いかにも男の職場のアイテムって感じでいいよね。
そそくさとエンド交換をした運転士氏が運転室中央の運転台に乗り込み、レンチ型の逆転ハンドルをガチャガチャ!と差し込む。ガリガリとマスコンのノッチを投入するとやや一拍二拍の呼吸が開いて、重々しい音を立てて動き出します。改造と更新の連続でほぼ全ての部品が変わっているので一概には言えないのだけど、モハ1型は車籍を辿れば大正時代まで遡るヴィンテージ感溢れる名車であります。
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