(余韻に浸りて湯に浸る@白馬龍神温泉)
ラッセル撮影を終え、心地よい疲労感とともに眠気が襲って来ました。白馬龍神温泉は大鰐線の小栗山か松木平の駅から歩いてどちらも12~3分、マニアックな言い方をすれば土類系の塩化物泉。簡単に言えば土みたいな色の塩っ辛い湯がどっばどばに溢れてて、浴場は温泉に含まれている石灰質で鍾乳石の石畳のような物凄い様相になっており、鍾乳石の上を歩けばチクチク座ればチクチクでちっとも休まらないという津軽の温泉パワーが炸裂している施設です(笑)。休憩にならんやないかい!というツッコミが入りそうですが、あえて濃厚な湯にどっぷり浸かり、さらにヘッロヘロになった上で休憩コーナーのソファーで一時間爆睡。湯疲れで眠り込むのも、これも立派な休憩である。
すっかり晴れ天気になった津軽平野。湯上りの体で、温泉からほど近い松木平(まつきたい)の駅で構えてみる。雪に陽射しが反射して強烈な眩しさだ。ラッセルがきれいに削り取ったまっさらなレールの上を、冬枯れのリンゴ畑を横目に見ながら大鰐行きの電車が小栗山からの坂を下って来た。朝方は車体にこびり付いていた雪もだいぶ溶けて来ましたね。
中央弘前から電車に乗ると、市街地が続くのは千年のあたりまで。千年を出て小栗山から松木平にかけて、一気に車窓風景は農村地帯になる。松木平の駅は、そんな津軽平野の農村を見晴るかすなだらかな丘陵地帯の高台にあって、なかなか眺めがよい。頂上こそ雲間に見え隠れしているものの、お岩木山もその姿を現し始めました。「お岩木山」なんて言われると、新沼謙治に続いて松村和子がまたアタマの中で歌い始めちまうよなあ(笑)。
すっくと立ち上がる岩木山をバックに、松木平の坂道を降りる東急7000。岩木山は別名・津軽富士とも呼ばれる完全なる独立峰の成層火山。日本全国にある郷土富士の中でもその山容の美しさは指折りのもので、津軽平野の人々は、遥か古代の昔から信仰にも近い形でお岩木山の姿を拝み生きて来ました。津軽を歌った歌謡曲の中にも、その名前は数多く織り込まれており、文字通り津軽を生きる人の心の拠り所。故郷のない私のような都会人でも、その姿を見れば思わず望郷の念に駆られそうになります。
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