青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

寺田、望楼は威風堂々。

2021年03月27日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(夕陽の塔屋@寺田駅)

さて、桜の時期になったにもかかわらず、相変わらず1ヶ月前の話をダラダラと続けてしまっておりますが、皆様飽きてらっしゃらないかと心配にもなります(笑)。夕方になって、またまた寺田の駅に戻って来ました。何だかやたらと寺田の駅に行ってしまったのが今回の富山行ですが、そのくらい何とも惹かれる駅です。この駅のシンボルとして君臨する寺田の信号塔屋。昨今、鉄道会社では特に地方私鉄を中心として、古くからの歴史ある建造物を「登録有形文化財」にする動きもあるのですが、この物件など真っ先に登録してしかるべきものかなと思ったりします。

夕陽が傾き、いい色になって来ました。60形と30形の交換。30形のかぼちゃ色が夕日に映えて輝きます。毎日のように繰り返されるいつもの風景なのでしょうが、そのいつもの光景に、自分の心をつかんで離さない何かがあるような。若い時、寝台特急北陸や急行能登に乗って北陸方面には何度か来たことはあるけれど、その時は地方鉄道どころかテツな活動を全くやってませんでしたのでね。あの頃富山で降りていれば、14780形やら14790形やらまだ全然バリバリ現役で走っていたと思うんだけど。もっと早く気付いていれば・・・と思わずにはいられないのですが、この光景だって、10年経てばまた貴重な光景になるはずです。

早春の雪残るデルタのホーム。車両は変わっても、この駅の風景は時代に流される事なく、そのままのありようで歩み続けている。駅舎はリノベーションされましたけど、それ以外はそんなに変わっていないのかなと。この光景を精一杯何かの形に残したく、一生懸命シャッターを押してみるのだけど、上手く伝わっているのかどうか。もっと上手な人が撮ったら、いくらでもその魅力を引き出せそうなのが辛い。それだけの奥行きと深さを、この駅は持っていると思う。

立山からの列車が、立山線ホームに到着。スノーボードを抱えた乗客が降りて来た。朝の立山周辺にいた時はスキー場に向かう自家用車をそれなりに見ましたが、鉄道でスキー・スノボに行くお客さんも少なからずいるんですね・・・。世の中的にスキーブームが爆発したのが昭和末期から平成初期でしょうか。その頃の地鉄には粟巣野スキー場へ向けた「立山スキー」なんて臨時列車なども走っていましたね。電鉄富山の駅にヘッドマークが置いてあるのを見た事があります。

茜差す空の下、威風堂々という雰囲気で鎮座する信号塔屋。今は軒下が待合室代わりに、中が除雪道具やら何やら雑多な物置になっているだけ。昔は乗り換えの乗客に向けて、売店も置かれていたようなのだけど・・・何かに活用はしないのかな。地鉄施設見学ツアーみたいなのを企画して貰えたなら、中を見学させてもらいたいものです。観光需要が回復したら、少しリノベーションして、カフェかなんかに賃貸にしたら楽しそう。あの塔屋の望楼から、日がな一日右に左に走って行く地鉄の電車を眺めていたいね。


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