青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

雪に負けるな、津軽の林檎。

2025年02月06日 17時00分00秒 | 弘南鉄道

(雪原の高架橋を行く@津軽尾上~尾上高校前間)

弘南線のハイライトの一つ、尾上高架橋。浅瀬石川から引き込まれた用水の走る田園地帯を、古いコンクリートモルタルで跨ぎ越す350mの高架橋です。バックに岩木山を望む高架橋の姿は、弘南線随一の撮影地として有名。ちなみに、高架橋のレールはレベル(水平)で敷かれているかと思わせておいて津軽尾上から尾上高校前へ向かって僅かな下り勾配になっていて、手前の水田と岩木山を雄大に広角で撮る構図を作ろうとするとなかなか水平が出しづらかったりする。この日の午前中は岩木山も雲隠れしていたので、おとなしく尾上高校前側から撮影しましたが、望遠レンズで圧縮すると、尾上の高架橋も歴戦のツワモノという感じでなかなかガタガタとした路盤と橋脚が浮き彫りとなって味わい深い。もちろん補強工事などはなされているんだろうが・・・冬ざれの雪原を渡って来る電車、中間車改造の顔でも絵になります。

昨年の年末からの津軽の雪の量は尋常ではなく、たびたび寒波となって襲い掛かりリンゴ畑を埋め尽くしました。雪の重みによるリンゴの倒木と枝の折損被害が多発していて、この秋の収量にも影響が出かねないという危機感があるようです。県や市を中心とする自治体は、従来であれば春まではおこなわない農道の除雪を異例の前倒しで進め、リンゴ農家の畑の整備を支援しているのだそうです。折れた枝をそのままにしていれば、そこから腐ってしまってリンゴの木自体がダメになってしまうだろうからねえ。弘前は春の桜が有名ですけど、大振りの桜に見事に花を付けさせる管理方法は、地面に沿って枝を這わせ花を咲かせるリンゴ農家の枝の剪定技術を応用したものなんだそうです。リンゴも桜も同じバラ科の植物ですからね。厳しいと思うけれども、傷付いたリンゴの木が一本でも救われることを願っている。

一面の雪に覆われた尾上の高架橋とリンゴ畑を、音もなく弘南線の電車が通り抜けて行く。春はまだか、の津軽平野。畑の中にズボズボと入って行っているように見えますが、Googleマップで一応雪の下に道のあることを確認しております。雪中行動、このあたりをよく確認しておかないと特に田んぼ回りなんかは、雪の下に隠れている水路みたいなものをズボッと踏み抜いてえらいことになってしまう。足が濡れてしまうくらいならまだ笑い話だが、そのまま雪の中に埋もれるか水路に流されるかで生命の危険を伴う場合があるので・・・特に単独行動の場合はね。こんなところで雪に埋もれて叫んだって誰も来やしないからさ。それと、旅行者っぽい人がくるぶしくらいまでのスノーブーツみたいな足元で雪の中に入って、緩んだ雪にずっぽしハマってひっくり返っているのを見たのだが、私はアホなので恥も外聞も捨てて家からヒザまで入るゴム長履いてきました(笑)。雪国は下駄箱もゴム長前提で縦長に作ってあるからいいよねえ。やはりゴム長しか勝たん。


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