(写真:鳴子御殿湯駅前の風景)
三連休は夢のように、今日からまたいつもの生活。当たり前と言えば当たり前。中山平へ川渡へとそれなりに出歩きもしたが、あまりにも静かにゆったりと流れる街での三日間は貴重な思い出となりました。
東鳴子に来たのは今回で二回目になるんだよね。
前回は去年の夏。一週間東北を車で回った際に一泊した。今でも自分は色々な場所に行く割には、飽きっぽいのか同じ場所には行かない傾向があったのだが…
観光客は隣の鳴子に流れ、人に強力に薦められる見どころはなく、国道から一本入った1km程度の道の周りに温泉街が続くだけの東鳴子の街。一泊だけだったけど、その時に惹かれるものがあった。そして再び訪問してみて、また新たな魅力を感じる街だったよ。
今回、列車で訪問してまた印象が変わった。列車は川渡温泉を離れ、山の縁をしばらく走ると突然視界がぱあっと開け、
江合川の橋をゴトンゴトンと渡って行く。山並みと谷あいに長く広がる温泉街が見えて、列車は少し高くなった土手の上の
鳴子御殿湯駅に滑り込む。駅は新しいが、ローカル線の雰囲気を色濃く残した駅。ホーム一本しかないし。
駅から見る風景が何となく黄昏れているのもいい。世捨て人気分を味わえる…とは言わないが、とりあえず難しい事は忘れてのんびり出来そうな風景だ(笑)。
メインストリートは、地元の人の営む商店が宿の間に間にポツリポツリ。朝でも昼でも変わらずひっそりとして、寂れていると言われたらそうなのかもしれない。ただ、ジイさんがオカモチ持って「部屋までドテカマシ」がウリ(なのか?)の
「大衆食堂・舞」、駅前の
「なるみストアー」の大栗一個が入った饅頭
「なるまん」などは甘さ控えめの現代に鉄槌を食らわすような味がする。他に焼き魚や刺身を出前する鮮魚店、鯉を専門に捌く鯉屋(?)など個性的な店も多い。鯉専門店の
「氏家鯉店」は「鯉の甘煮」が名物なんだとか。煮魚好きとしては非常に食指を動かされたのだが売り切れ。鯉、食べたかったなあ。
流れる時間がゆるやか。静かな街並みと鄙びた雰囲気は妙に心がおだやかになる。
ワサワサとした感じがなくて、決してきれいではないけど安く泊まれて良い温泉がある宿があって、とても居心地が良い場所だと思う。
東鳴子。何となく自分のお気に入りの場所を見つけた気分。