(立派な本社ビル@平賀駅)
まずは津軽尾上から電車に乗って、弘南線の心臓部を司る平賀駅にやって参りました。ここは弘南鉄道の本社と輸送指令室、そして検車区と弘南線の根幹をなす重要施設が揃っている基幹駅です。地上5階建ての大きなビルを弘南鉄道の本社と津軽みらい農協、そして平賀駅が共用する形となっています。津軽みらい農協は、弘前・平川・黒石・田舎館・藤崎・板柳と津軽平野南部一円をカバーする巨大な農協。金融部や農政部などの所管部署の中に「りんご部」なんてのがあるのがいかにも津軽の農協らしくて面白い。そんな農協のロゴが目立つけど、しっかりビルの左上に弘南マーク、ついてますよ。
平賀の駅は本社農協ビルの1階。駅の事務室の中には指令室があって、運転上の要衝らしい雰囲気。立派な2面2線の相対式ホームを持っているんですが、ダイヤ上の交換列車の設定はありません。以前平賀駅のポイントで列車が脱線事故を起こしてから2番ホーム側が使われなくなったそうなのだが、一応基幹駅なんだからそこらへんは直そう(直してるのかもしれんが)。そして、「節電してます」ということなのだが妙に薄暗いなあ。看板広告だけは蛍光灯付いてるのが救いだけど。そして、弘前東高校の広告の隣に自衛隊があるのが北国っぽい。北海道とか青森は、就職口としての自衛隊の役割と言うものも無視出来ないよね。
駅の南西側は平賀の検車区。今日は運用に入っていない2編成はいずれも中間車改造の編成でした。オレンジの帯色にしているのは、同じ東急7000系を導入している縁で、北陸鉄道のカラーリングを纏った7101編成。見えませんが、弘前側のエンドはピンクの福島交通色にしているそうだ。福島交通には、7000を東横線から追いやったはずの日比谷線直通車1000系が投入され始めていて、7000には廃車になる編成も出ています。今度は福島の地で、歴史が繰り返されているのだねえ。
平賀から再び黒石行き35列車。弘前の学生の下校時間とあって、平賀の駅ではまとまった降車客アリ。運転士さん宛てに書状が渡されたりするのも基幹駅ならでは。黒石の駅に書類でも届けるのだろうか。ちなみに駅員バイト時代、結構主管駅まで書類を持って遣いっぱさせられてたな。明けの上がりで「これ持ってってよ!」なんて頼まれるの。
列車の後方に凭れ掛かって誰もいない運転席に目をやれば、東洋電機製造の「TD」のロゴが打ちぬかれた主幹制御器と、脂に濡れたブレーキハンドルが見える。東急はこの車両の次(8000系)から日本初のワンハンドルマスコンを投入するんですけど、7000系は最後のツーハンドル車という事になりましょうか。巻き上げた粉雪で凍て付いたフロントガラスに過ぎて行く昭和と平成を映して、今日も電車は津軽の寒野を未来へ向けて走ります。