青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

色付く中岩の秋

2020年11月14日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(鬼怒の中岩を渡る@新高徳~大桑間)

良い感じに色付いた鬼怒川の景勝地・中岩を渡る6050系。朝に僅かに出ていた太陽はすっかりと雲の中に隠れあそばしたのですが、まあ曇っちゃえば光の方向を気にしないでいいので楽と言えば楽。おそらくこのアングルも午前中だったら逆光なんだろうけどね・・・中岩の鉄橋は、川の中にある岩を使ってそのまま橋脚を立てているのがポイントか。岩の上に生えているマツが盆栽のようで、絵になっていますね。

「雅」塗色のスペーシアが鉄橋を渡って来ました。スペーシアは10年前くらいから編成ごとに色んなカラーバリエーションに塗り分けられているのですが、個人的にはこのパープルの塗装がいっちゃん好きなんよね。中岩の鉄橋には、新しい橋脚の脇に古い石造りの橋脚が残っているんですが、鬼怒川線はかつての軽便線(下野軌道)を改軌して敷設されたので、軽便時代当時からのものなのかもしれませんな。

この日は平日ではありましたが、紅葉シーズンという事でSL大樹の運転がありました。中岩の鉄橋脇から河原に降りて、サイド気味にアングルを固めてみます。川沿いに続く紅葉、水に近い方が気温が下がるのか、色付きが水面に近いほど鮮やかなようです。遠くからブラスト音と大きな汽笛が聞こえて、ほどなくゆっくりとSLが鉄橋に姿を現しました。

東武鉄道は、現行のC11207にプラスして真岡鉄道からC11325を購入、そして保存機だったC11をボイラー新製の上で復活させ、今後はSL3機体制での運用となるそうです。大手私鉄がSLを3機も保有するなんて、少し前には考えられない事でしたが、今後は重連運転など新しい魅せ方も出来そうです。

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急行列車は秋色に溶けて

2020年11月11日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(ススキの道を@上今市~東武日光間)

今回は、活躍の場が徐々に狭まる東武6050系を中心に撮影するための北関東入りでしたので、彼らの現在の主要な走行範囲である東武日光~下今市~鬼怒川・川治方面を中心に撮り歩いてみました。特に、東武日光~下今市間は鬼怒川からの特急に接続する区間運転などもあって本数もそこそこ多く楽しめますね。ススキ揺れる道を東武日光へ向かう61101F。6050のグループのうちでも、野岩鉄道持ちになる車両です。

6050系の纏うオレンジと茶色のラインは日光線系統のラインカラーですが、秋の景色によく合っていますね。この日は一応「晴れのち曇り」という気象庁の発表だった日光市周辺だったのですが、晴れたのは朝7時台のほんの僅かな時間に留まり、あとは光線に恵まれず基本的には曇りベースの展開となりました。日光らしい杉並木をバックに築堤を登って行く急行列車。終点・東武日光はもうすぐ。

大谷川の支流である、志渡淵川の脇を行く6050系。線路脇の茂みや灌木にも秋の色付きが。奥日光の湯ノ湖に源を発した水が、戦場ヶ原や中禅寺湖の水を集め、華厳の滝から東照宮の前を流れて日光の街を潤すのが大谷川。かつては5700系で運行されていた日光急行「だいや」の名前の由来でもあります。そう言えば、栃木県の名産品に大谷(おおや)石ってのがありますが、川になると大谷(だいや)川になりますね。宇都宮の大谷石の資料館に石切り場が地下壕みたいになってる場所があって、行ってみたいんだけどね。

日光だいや川公園の紅葉を車窓に映して走る6050系。園内の紅葉もそこそこ見頃になっていて楽しめますね。上今市から東武日光までは駅間距離が約6kmありますが、駅の一つくらいあっても良いのでは?と思わなくもない。まあ上今市で一日100人くらいの乗降客なんでニーズがないか。この秋からは東武日光までSL大樹がが乗り入れているらしいけど、この辺りは補機なしではとても登れそうにない連続勾配で、上今市から東武日光間で約140mの標高差があります。

 

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つれなきリバイバル

2020年11月09日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(リバイバルは始発電車@樅山駅)

昨年から走り始めた6050系のリバイバル塗装。東武6000系の機器流用で生まれた6050系が、生みの親(?)である6000系の塗装に戻った先祖返りの如きカラーリング。車体上部をロイヤルベージュ、下部をロイヤルマルーンのツートンに塗り分けたボディは、見る人にシックかつ高貴な印象を与えます。このカラーリングは、その昔のDRC(デラックスロマンスカー)こと1720系や、戦後初の特急用車両としてデビューした5700系などに使われた日光線系統の優等車両のカラーリング。そうそう、東武5700系と言えば2年前の秋に行田にあるレストランを訪れたのを思い出しましたが、あの頃くらいから個人的に東武熱というか、東武電車への興味が自分の中で湧き上がって来たように思います。

この日のリバイバル塗装、新栃木の検修区を出庫してから新鹿沼へ始発電車として回送され、その後は栃木→東武日光→新栃木と日光ローカルを1往復半走って朝8時頃に早々に入区してしまうと言うつれない運用。後で調べたら一番稼働の少ない運用日(TY207)にブチ当たってしまったらしく。折角北関東くんだりまで出て来たのにツイてねえ・・・11月になっちゃうと朝の日の出もだいぶ遅くなってしまうので、真っ暗な樅山駅と日が上がり切る前の上今市で捕獲するのがせいぜい。全くもって消化不良な感じに終わってしまったのでした(笑)。これはもう一回運用を調べ直して再チャレンジの事案だなあ。

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防衛ライン、北へ

2020年11月07日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(疾走!赤幕急行@東武日光~上今市間)

東武日光から下今市に向けての長い長い坂を駆け下りて来る区間急行の南栗橋行き。現在、全ての車両が南栗橋車両管区新栃木派出所に所属し、南栗橋以北のいわゆる日光ローカル及び野岩鉄道線の普通運用に従事している東武6050系。浅草口からの会津直通快速の任は解かれたものの、2ドアセミクロスシート・トイレ付きという「私鉄急行型車両」のフラッグシップ車両として北関東で健脚を奮っています。個人的に好きな車両なんで、ちょこちょことこのブログにも登場してる事はご存じかと思いますが、そんな6050系に何やら不穏な話がある事を聞きつけて、この度はるばる北関東まで有給使って行って来ました(笑)。

70000系の導入により日比谷線直通から撤退した20000系は、舘林の津覇車輛で4連に改造(20400型)され、2年前より東武宇都宮~南栗橋間の運用に就いていますが、先日11月から運用範囲が拡大され、東武日光・新藤原方面にも顔を出すことが発表されました。これまで特急以外はほぼ6050系の牙城であった新栃木以北への20400型の進出は、とりもなおさず6050系の4連運用(急行・区間急行中心に)の減少に他ならないのでありますが、南栗橋~東武日光のロング運用はあの赤いモケットのクロスシートと折り畳みテーブルがないと始まらないと思っているアタクシのような趣味者には非常にショックな話。20400型はロングシートだしトイレないし、車両設備的には改悪なんじゃねーの?という感じもあるのですが、まあ東武サイドも元々6050系は6000系の機器流用車が多く、デビュー30年を経て経年劣化が無視出来なくなってきた、と言うのはありそう。また、トイレ付き車両だと検車区で便抜きしなきゃいけないし、そのための入庫の時間も必要だし、清掃も管理も大変だからなるべく減らしたいという保守管理面の考えはあるのかもしれない。

浅草口を追われてからは南栗橋、20400型の配置によって新栃木とその防衛ラインを北に北に移して行く6050系。今までは新栃木以北・・・少なくとも下今市まで来れば6050系の楽園は約束されていたのでありますが、今回の日光・鬼怒川エリアへの20400型の運用開始により、これで来週からの最終防衛ラインは新藤原以北になります。新藤原以北ってそれってもう東武線じゃないやん・・・(笑)。朝は上今市駅周辺で撮影をしていたのですけど、基本的にあっちからもこっちからも6050系がやって来る。平日の朝、僅かな通勤客を迎えに山を降りてきた6153F。

東武の「日光快速」という伝統の正統継承者であった6050系。既に若干の廃車は発生しているものの、未だ多くの編成が残っており、両数的に「淘汰が始まったぞ!」と騒ぐにはまだ早いかなという気はするんですが、活躍のフィールドは徐々に切り崩されている事は間違いありません。昨今のこの趣味界隈のセオリーとして、引退前に大騒ぎする前に、先物買いで減少して行く形式を抑えていく事は常識となりつつあります。趣味者らしいイヤラシイ話ではありますが、好きな形式だからこそ元気な姿を写したい。運用減を前の駆け込み訪問は、そんな思惑もありました。色付いた杉並木公園の木々の脇を登って行く日光急行。赤幕に急行の白抜き文字も凛々しいですな。

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呉東の夕映え

2020年11月03日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(黄金輝く鉄路@越中三郷駅)

秋の夕映えに輝くレール。地鉄電車で夕陽を眺めるなら、常願寺川を渡ってからの越中三郷~舟橋辺りが良い。富山市街の喧騒から離れ、散居村の風景も程よく残る田園地帯。富山県を地域分けする時に、特に富山平野については呉羽丘陵を境に呉西・呉東と言う分け方をするそうです。この辺りはまさにその「呉東」のど真ん中。高い建物に遮られる事なく、赤味の強い秋の日差しが駅を包んでいます。

富山電鐵時代からの姿を残していた越中三郷の駅。近年リニューアルが施され、昔の意匠をほぼ残したまま側板や瓦屋根が葺き替えられました。寺田駅に続くリフォームですが、それまでのイメージを損なわないよう良く練られたリフォームですよね。ひいては、そういう「昔ながらの雰囲気を残すこと」が会社としての方針という事が感じられて嬉しくもあります。

そして夕暮れの三郷の駅で並ぶ60形前パン側の並び。至高の組み合わせ。これを見に富山に行ってるという感じがしないでもない。20形が引退して、地鉄の生え抜き車両は60形だけになってしまったのだけど、60形がいる限り、また安房峠を越えて私は富山に行ってしまうのだろうな、と思うんですよねえ。

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