tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

宿泊者数、コロナ禍前の8割程度まで回復/2022年 奈良県宿泊統計調査

2024年07月04日 | 観光にまつわるエトセトラ
日曜日(2024.6.30)の奈良新聞に〈2022年 県宿泊統計調査 コロナ前8割に回復〉という記事が出ていた。2022年(1~12月)の統計なのでやや古いが、全文は画像を見ていただきたい。ポイントは、
※トップ写真は「うどん専門店 讃岐仕込み 釜粋(かまいき)」の行列(5/30撮影)

◆延べ宿泊者数は2,326,401人(前年比50.3%増)で、コロナ禍前(2019年)の8割程度まで回復(17.6%減)
◆外国人延べ宿泊者数は30,744人(前年比260.8%増)で、コロナ禍前(2019年)の水準に比べてまだまだ少ない(94.2%減)
◆修学旅行などの教育旅行の延べ宿泊者数は147,756人(前年比93.8%増)で、コロナ禍前(2019年)の8割程度まで回復(18.4%減)


ざっくり言うと、教育旅行を含む日本人宿泊者は相当回復しているが、外国人宿泊者はまだまだ少ない、ということだ。2024年版『観光白書』は、2023年の数字をもとに〈白書はインバウンドの都市部への集中がコロナ禍後に加速していると説明した。訪日客の延べ宿泊者数に占める東京・大阪・名古屋の三大都市圏の割合は19年の62.7%が23年に72.1%に上昇した。こうした点をふまえ、白書は「地方誘客、地方部の消費拡大のより一層の推進が必要」だと訴えた〉(日本経済新聞 2024.6.18付)。なお「三大都市圏」とは、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県である。

以前、当ブログで奈良県観光戦略本部の「(使うおカネが)少額、(滞在は)短時間、(奈良公園に)集中」という話を紹介した。しかしNHKのBSに「2時間でまわる〇〇〇」という番組があり、NHKのサイトには〈大手旅行会社によると、観光地で過ごす時間はおよそ2時間。この番組は、その2時間で国内外の有名観光地を味わい尽くします〉とある。姫路城も清水寺も、観光客はおそらく2時間程度で回っているのだろう。

かつて「爆買い」していた訪日中国人観光客数が、自国経済の低迷などで減少している。これは奈良市の東向商店街を歩いていて、実感している。トップ写真も東向商店街で撮ったが、ぱっと見で中国人が少なく欧米人が多い印象だ。コロナ禍前には多くの中国人が奈良を訪ねていたので、これは大きな痛手である(訪問者数および消費額)。

少しでも宿泊観光客数を増やすため、奈良市を訪れる人には奈良市以外の奈良県の魅力(自然、歴史・文化)を粘り強くアピールし、訪問エリアの広域化と宿泊観光の楽しさを訴え続けるしかない。

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花見観光は、難しい!

2024年06月22日 | 観光にまつわるエトセトラ
毎日新聞「私が思う日本」欄は、外国特派員が見た日本を紹介していて興味深い。月曜日(2024.6.17付)には、「花見観光」のことを取り上げていた。
※トップ写真は、吉野山「花矢倉」からの眺め(2024.4.5撮影)

私も花見好きでは人後に落ちず、2021年(令和3年)11月に会社を完全リタイヤしてからは、「毎年吉野山へ、桜の写真を撮りに行くぞ!」という目標を立てた。会社勤務中はなかなか平日の休みが取れなかったので、土日に混み合う吉野山へは行けなかったのである。良い写真が撮れれば、会社の「OB美術展」にも出展しようともくろんでいた。

それで翌年からは、桜の開花情報と週間天気予報を見比べながら、慎重に日を選んだ。交通手段は近鉄特急と山内を走るバスだ。結局のところ、

2022年 4月 7日(木=下千本が満開)、11日(月=上千本が満開)
2023年 3月28日(木=下千本が満開)、31日(日=上千本が満開)
2024年 4月 5日(金=下千本が満開)



万博記念公園の桜(2022.4.1撮影)

という結果だった。2022年は開花が遅かったので、しびれを切らして4月1日(金)に大阪の万博記念公園に行ったところ、ソメイヨシノがほぼ見頃を迎えていた。やはり大阪は暖かいのだ。2023年はやむなく日曜日(3/31)に重なり、危うく近鉄特急に乗れないところだった。なお吉野山(シロヤマザクラ)下千本の開花状況は、ほぼ奈良盆地(ソメイヨシノ)の開花状況に重なる。

見ていただいたとおり、年により開花状況は大きな変動があることが分かる。これには昨今の地球温暖化に伴う気候変動が影響しているということだろう。日本に住んでいる私でも苦労するのだから、外国から桜を求めて来られる方は、もっと苦労されることだろう。


明日香村「石舞台」の桜(2024.4.6撮影)

今春には台湾の旅行エージェントが「日本は桜の時期、外国人観光客受け入れ体制の整備を!」と要請していたが、日本人観光客の受け入れだけでも大変だから、これはムリかも知れない。

今年は吉野山は4/5(金)だけとなったが、4/6(土)には明日香村の石舞台、4/7(日)には壷阪寺へ花見に行った。壷阪寺は「道路が混雑して車が動かない」と聞いていたので、駅から徒歩で向かった。青空のもと、念願の「桜大仏」の写真が撮れて、大満足である。前置きが長くなった。以下に記事全文を紹介する。


壷阪寺の「桜大仏」(2024.4.7撮影)

東京に駐在する外国メディア特派員らの目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。

聯合早報(シンガポール)の符祝慧(ふしゅくけい)・東京特派員は、気候変動により春の桜前線に異変が起きており、観光にも影響を及ぼしている現状を指摘した。

桜前線に異変!? 聯合早報東京特派員 符祝慧氏
花見観光、変化の兆し
日本で春といえばサクラの花見だろう。サクラは日本に1000年以上前から根付き、花見の名所は1000カ所以上ある。サクラの花は傷みやすく、長持ちしない。開花時期や開花した花が日持ちするかどうかは、天候と密接なかかわりがある。今年の東京は、暑かったり、寒かったりと不安定で、サクラの開花予想は何度も変わった。

3月27日、サクラの名所である東京・上野公園に行ってみた。サクラは、まだほとんど咲いていなかった。なんとか咲いていた数輪の花の周りを何人もの人が取り囲み、携帯電話で盛んに写真を撮っていた。

シンガポール人女性2人はサクラを見ようと、3月19日から10日間の日程で東京に観光旅行にやってきた。そのうちの1人は「東京をあちこち巡ったけど、見ごたえがあったサクラは1本だけ」と話し、開花時期の遅れを残念がった。

また、家族3人でサクラ見物にきたシンガポール人男性は「今晩帰国しなければならない。今回は満開になるまで滞在できなかった。次回はもっと情報収集して、旅行期間も長い日程で検討しなくてはだめだね」とため息をついた。

各地のソメイヨシノの開花予想日を結ぶ「桜前線」は、例年なら南の鹿児島県から北は青森県や北海道へと北上していく。外国人観光客の中には、サクラを追い求めて桜前線のように北上していく人もいる。

ところが近年、この桜前線の北上パターンが崩れてきているという。気象庁の記録によると、2020年のサクラの開花は特に早かった。この年は記録的な暖冬で、東京の開花は3月14日で九州各地に先んじた。この現象について専門家は「世界の生態系を脅かす大規模な気候変動の兆候だ」と警鐘を鳴らす。報道によると、07年には鹿児島県でサクラがなかなか満開にならず、そのまま散ってしまうケースが観測された。

サクラの開花には、春の暖かさだけでなく、実は、冬の寒さが欠かせないのだそうだ。この寒さによって、眠っていたサクラの花芽が目覚めて成長を始める。これを「休眠打破」というが、地球温暖化によって気温が上昇すると、休眠打破に必要な冬の寒さにさらされていないため、開花時期が遅れることがあるという。満開にならなかったり、少しも開花しなかったりする恐れもあるという。将来的には九州南部の一部で、開花しない地域が出現する可能性も指摘されている。

千葉県で約17年間、ラン栽培を続ける台湾人の友人も、近年は台風や大雨が増え、気候の大きな変化を感じるという。彼は「サクラはランと同じように特に気温に敏感だ」と話す。

サクラの開花が早かったり、遅かったりするのは自然現象だが、サクラは重要な観光資源でもある。ある調査によれば、日本人の約6割が毎年のように花見に行くと答えた。花見がもたらす経済効果は無視できない。今年のサクラの花見による経済効果は、1兆円を超すだろうとの試算もある。

シンガポールのある旅行代理店によると、今年3月から4月上旬にかけ、日本に花見で旅行に行く団体客は約60組に上ったという。開花シーズンを前に取材に応じた代理店の担当者は「今年は、日本の受け入れ側と緊密に連絡を取って開花日をより正確に把握したい」と話していた。

外国人観光客の中には、いっぷう変わった「サクラの追っかけ」もいた。日本にはソメイヨシノだけでなく、サクラの種類が多いことを知っている一部の外国人は、さまざまなサクラとその開花時期、場所を組み合わせて旅程を計画していた。

生態系の異変は、季節に合わせた観光にとって不確定要素であり、その観光に変化が起きつつある。日本の観光業がこの変化にいかに対応していくのか、人々が季節の旅行をどう計画していくのか、これからの課題となるだろう。【訳・鈴木玲子】

◆人物略歴 符祝慧(ふ・しゅくけい)氏
1964年、シンガポール生まれ。現地の高校を卒業後、日本に留学。日本大芸術学部放送学科卒。東京大大学院修士課程修了。シンガポール国営放送で時事番組のディレクターやリポーターを務めた後、2000年から「聯合早報」東京特派員。

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やまとの桜 第3日 桜大仏(4/7)

2024年04月10日 | 観光にまつわるエトセトラ
2024年の花見、3日目(4/7)は、壷阪寺(高市郡高取町壷阪3番地)へ。「車だと渋滞して、山門にたどり着けない」と聞いて、近鉄壺阪山駅から徒歩で訪ねた。ざっと1時間ほどの道のりだ。渋滞した車の横を、のびのびと歩いた。
※トップ写真は「桜大仏」。写真はすべて日曜日(2024.4.7)に撮影



標高は300mほどなので大した登り坂ではないのだが、2日前に吉野山を歩いたので、やや筋肉痛だった。



この日も薄曇りの空だったが、時間がたつとともに青空が見えてきた。



前日も前々日も曇り空で、「今年は青空が拝めないのかなぁ」と思っていたところが青空になったので、これは絶好の写真日和りとなった。



壷阪寺は、伽藍や石仏の間にたくさんの桜(ソメイヨシノ)が植えられていて、その対比が見事である。特に大きな石仏が満開の桜に囲まれているさまは「桜大仏」として、人気を集めている。だから、「晴天の日曜日の桜大仏を拝もう」と、たくさんの車が列をなすのである。





この日は気温も上がり、絶好の花見デーとなった。車のナンバーを見ても、近畿圏だけでなく、中部地方や関東地方のナンバーもあった。お寺の公式HPには、





西国三十三所第六番札所、眼病封じのお寺へようこそ。
南に桜の名所 吉野山を控え、北に万葉のふるさと 大和三山奈良盆地を一望におさめる壷阪の山に建つ。大宝三年(703)に元興寺の僧弁基上人がこの山で修行していたところ、愛用の水晶の壺を坂の上の庵におさめ、感得した観音様のお姿を模刻してまつったのが始まりといわれる。








壷阪寺とアジアとの関係
1960年代、インドでのハンセン病患者救済事業への支援協力に携わらせて頂いたことから、インド国内各地において、たくさんのご縁を頂戴し、現地の学校運営助成事業や奨学金事業等の教育支援をはじめ、地域開発支援など様々な国際交流を展開しています。壷阪寺境内にある多くの石彫文化は、このような日印交流のご縁でご招来されたものです。





礼堂(本堂)から外を見下ろす場所に鏡がある。鏡の上から写真を撮ると、このように写る


礼堂には「大雛曼荼羅」として、たくさんの雛人形が並んでいた


花散らしの風

行く前は「桜大仏の写真は、どこから撮るのだろう」と不思議に思っていたが、ちゃんと展望所があるので、ラクラク撮ることができた。ただし長蛇の列ができるので、時間には余裕を持ってお参りいただきたい。

すべてお寺の境内地なので、屋台などはなく、花見に専念できるのは有り難い。お寺のHPによると、今日(4/10)は「花吹雪 風も落ち着き、ゆっくりと散花がすすんでいます」とあった。私はまさに絶好のタイミングで、青空の下で満開の桜と石仏を撮ることができたのだ。

来年も、ぜひお参りしたい。徒歩で往復2時間、今から足を鍛えておかなければ…。
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やまとの桜2024 第2日 石舞台(4/6)

2024年04月09日 | 観光にまつわるエトセトラ
花祭りの昨日(4/8)になって、奈良地方気象台は奈良市で桜(ソメイヨシノ)の標本木が、「満開」になったと発表した。平年より4日遅く、昨年より12日遅いという。



2024年の花見、2日目(4/6)は、すでに「満開」と聞いていた明日香村の石舞台へ。天気は「薄曇り」。午前11時頃に到着すると、たくさんの家族連れが来ていた。







石舞台のエリア(墓域)内では食事ができないので、周辺のベンチなどで、お弁当を広げる人がたくさんいた。周辺の畑ではたくさんの菜の花が咲き、ソメイヨシノのピンク色とのコントラストも、とてもきれいだった。
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やまとの桜2024 第1日 吉野山(4/5)、ランチは矢的庵(やまとあん)

2024年04月08日 | 観光にまつわるエトセトラ
今年の桜、開花は平年より3日ほど遅れた。昨年(2023年)は平年より8日ほど早かったので、今年は開花が待ち遠しかった。「桜だより」と「週間天気予報」を見比べ、「今年は4/5(金)~7(日)が勝負だな」と予想した。すると、まずは吉野山だ。「下千本は4/5に満開」という予報を得て、前日に大和西大寺午前7時4分発の近鉄特急(吉野連絡)の特急券を買い求めた。
※トップ写真は、「一目全本」(吉水神社境内)からの眺め(4/5撮影)


近鉄吉野駅前のソメイヨシノ

8時19分に吉野駅に到着。そこで奈良交通バス(中千本公園行)に乗り換え、終点へ。ここからは徒歩で、上千本(かみせんぼん)の「吉野水分(みくまり)神社」をめざす。天気はあいにくの「曇り」。まずは水分神社まで登り、そこから降りながら写真を撮ることにした。


吉野水分神社の枝垂れ桜の老木が、見頃を迎えていた

まだ早いと思っていた吉野水分神社の枝垂れ桜が、見頃を迎えていて驚いた。ここから降りながら写真を撮る。まずはすぐ下の「花矢倉」。下千本の桜は、こんなに咲いていた。









途中までは一方通行ながら車が入れるので、いちいち後方を気にしなければならないので大変だ。下千本まで降りてきて、ここからは歩行者天国だ。偶然、旧知のKさんご夫妻にお目にかかった。かなりのおトシだが、吉野山を歩き回れるほどお元気だったので、ちょっと安心した。金峯山寺で蔵王堂を拝んでからは、満開の桜の下を徒歩で山を降りた。


吉水神社の参道から、蔵王堂を望む


「一目千本」からの眺め、トップ写真と同じ場所で撮影


金峯山寺の境内から「南朝妙法殿」を望む

この日のランチは、中千本の矢的庵。地元の人気店なので、11時半に着くと、すでにたくさんの人の名前が受付用紙に書いてあった。「今からだと2巡目になるだろうな」と思っていたら、やはりその通りになって、12時半に名前を呼んでいただいた。





名物の「田舎ざるそば」(1,320円=税込み、以下同じ)は売り切れだったので、「ざるそば」(1,100円)の大盛り(+330円)と、「季節の天ぷら」(990円)を注文。出てきたのが写真の料理である。





麺は独特の「ぼっち盛り」。これは初めてだったが、とても食べやすい盛り方だ。麺はそばの香りが高く、ツユも魚介ダシがよく利いている。ワサビは信州安曇野穂高産だ。


あつあつの天ぷらが、冷たい麺とよく合う

ああ、おいしかった。ここは11時がオープンだそうなので、これからは11時までに到着するようにしよう。お土産には柿の葉ずしを買い求めた。いつも、「やっこ」「たつみ」「ひょうたろう」「醍予(だいよ)」の4軒の専門店の柿の葉ずしから選ぶが、今回は最もあっさりとした味の「醍予」のものを買った。

帰りは特急券が全て売り切れだったので快速で帰ったが、橿原神宮前までの停車駅は特急と同じだったし、座れたのでこれはおトクだた。下界の桜も良いが、やはり吉野山のシロヤマザクラは品があるし、花見気分も盛り上がる。来年も訪ねることにしたい。皆さんも、ぜひ!
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