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tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

氷の世界

2006年02月10日 | 日々是雑感
先日、新聞の片隅に載っていた外電を見て、わが目を疑った。タイトルは

6-7年後「ミニ氷河期」入り!?

ロシア通信が送った「フジサンケイビジネスアイ」(旧日本工業新聞 06.2.8付)の記事だ。太陽活動の停滞で6~7年後に世界の気温が低下しはじめ、「ミニ氷河期」に入る可能性があるそうだ。ロシアの天文学者アブドサマトフ氏の話だ。

今冬の寒波も「地球冷却現象の可能性がある」そうだ。20世紀の地球温暖化は、太陽エネルギーの増大によるもので、これがピークを過ぎ、2035~45年には「最寒冷期」になるという。かつて「ミニ氷河期」といわれた1645~1705年には、オランダの運河が凍結したり、グリーンランドの島民が移住したそうだ……。

ここへきて「地球寒冷化」とは、驚きだ。
何しろ昨夏は私の勤務先も「クールビズ」となり、ネクタイも上着も外した。軽くて涼しくて夏物スーツ代も浮いた。これで懸案の地球温暖化が防げるという、良いことずくめのアイデアだった。それなのに、これから地球が寒冷化するという説があるとは。
記事の見出しに「!?」がついているから、まだ定説ではないのだろう。それにしてもな話だ。歴史年表を繰ってみると、確かに1645~1705年頃は日本(江戸時代)でも冷害や大雪の記録が残っている。うーむ、それが「ミニ氷河期」の仕業だったとは。

思い出すのは養老孟司さんの話だ。
「温暖化も寒冷化も、歴史上しばしば起こったことである。二酸化炭素問題として、温暖化をもっぱら人間活動のせいにするのも、いまの人が人間中心にものを考えていることの一例かもしれない。(中略) カゲロウの一日と人の一生と、大自然から見れば、さして変わりはない。長い目でものを見ようではないか」(06.1.29付 朝日新聞「私と環境」)。

暑くなるぞといわれたり、いやいや寒くなるといわれたり、それにしてもお騒がせな「カゲロウの一日」ではある。

※写真は柳生の里(奈良市)にある円成寺(えんじょうじ)境内の池。この日はとても寒く、雪と氷の世界だった。モノクロのように見えるが、カラー写真である(05.1.1 撮影)。
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