tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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同時進行!平城遷都1300年(3)

2006年02月28日 | 平城遷都1300年祭
毎月「7」のつく日は、かつては質屋さんの休業日だったが、今や奈良県庁から「大仏さんのつぶより情報」というメルマガが届く日となった。

昨日(2/27)私のパソコンに届いた第171号には、遷都1300年事業は「通称“奈良1300年祭”って名前でアピール中。知らない人にはどんどん教えてあげてね」とあったので、ここに記してご紹介しておく。なお私もこの「通称」のことは、全く知らなかった。

さてこのシリーズ、前回は記念事業協会が策定・発表した「実施基本計画」について書いたが、今回は協会主催で開かれた2度の「平城京フォーラム」(05年度)のことをご紹介する。

このフォーラム、05年度は「日本人の心と奈良」を統一テーマとして開かれた。第1回は05年12月17日に大阪で開催。画家・平山郁夫氏の講演と、官界・財界の代表者を交えてのパネルディスカッションの2本立てだった。参加者は約700名。奈良新聞(06年1月18日付)から印象的なフレーズを拾ってみる。

平山郁夫氏
「自分たちの核である文化や哲学をしっかり持ちながら、異なる文化や考え方の良いところを取り入れた国家や政権は発展します。ミックスされる文化は多ければ多いほどいいです」。天皇の象徴である「勾玉(まがたま)、銅鏡、鉄剣という3種の神器」は石器・青銅器・鉄器という3つの文化・時代の象徴で「皆仲良く暮らしましょうという意味」。

藤本貴也氏(パネラー、国土交通省近畿地方整備局長)
「国交省の最終目的は地域起こしにあり、平城遷都1300年記念事業も、奈良、近畿の町起こしというとらえ方ができましょう」。

西川りゅうじん氏(パネラー、マーケティングコンサルタント)
「私が提唱している関西を元気にする“あいうえお”」とは、遊び心、癒し、うまい、選ばれる、おもてなし。「“ロマンとそろばん”の両方を大事にするべき」。

第2回のフォーラムは06年1月14日、東京で開かれた。有識者によるパネルディスカッションと、薬師寺の声明・花会式(再現)の2本立てだった。参加者は約1900名。同じく奈良新聞(06年2月15日付)から。

片倉もとこ氏(パネラー、国際日本文化研究センター所長)
「奈良の精神文化というのは、受け入れる文化、抱き込む文化だと思います。当時はいろいろな人、いろいろなものを受け入れました。そしていろいろな音楽も入ってきました。ペルシャの辺りのウードという楽器が、西に行ってギターになり、東の日本に来て琵琶になりました」。

千田稔氏(パネラー、国際日本文化研究センター教授)
「縄文時代が日本の原点だと言いますが、“日本”という名前ができたのは飛鳥・奈良時代なのです。そのことをみなさんは本当に認識されているのでしょうか」。「日本人にとっての聖地として、巡礼の地として、奈良をもう一度認識しなくてはならないと思います」。

安田暎胤師(パネラー、薬師寺管主)
「宗教観の多様性こそ、日本人のよさでもあります。そこで私は、世界宗教者平和会議を、2010年、奈良で開いていただきたいと思います」。

安田管主のこの意見は「“世界の宗教者による平和のための集い”の誘致」として、「国際コンベンション事業」(2/7に発表された基本事業の1つ)に採用されている。

ふぅん、良い勉強になった。
次回は、「奈良1300年祭」を展望して出てきた奈良県下の動きをご紹介する。
※写真は、平城宮跡・朱雀門(05.4.24 撮影)。

※同時進行!平城遷都1300年(2)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/a44de0f6bf51d6b004132c3eb53f6416
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