tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

キトラ壁画はぎ取り実験が成功

2006年11月21日 | 奈良にこだわる
11/18付の新聞各紙に「キトラ古墳壁画のはぎ取り実験に成功した」との記事が載った。毎日新聞の見出しを時間順に書いてみる。

○キトラ・高松塚古墳:保存修復 近藤・文化庁長官が視察 「万全の体制で臨む」(11/15付)
○キトラ古墳:朱雀などの鉄線でのはぎ取り、調査研究委が了承(11/16付)
○キトラ古墳:鉄線で壁画はぎ取り成功…文化庁(11/18付)

この実験は、今後の「寅」や「朱雀」のはぎ取りに備え、文化庁が新たに開発した糸ノコ状の「ダイヤモンドワイヤ・ソー」(ダイヤモンド粉末を埋め込んだ鉄線を電動で巻き取り、切断する電動のこぎり)で、絵のない部分の漆喰(しっくい)2か所をはぎ取った、というものだ。

「なんだ、それだけのことか」と思われるかも知れないが、今までは「ヘラ使用」(同紙)だったそうだから、7世紀のローテクから21世紀のハイテクに一気に飛躍する長足の進歩だったのである。

かつてテリー伊藤と旧大蔵官僚(ノンキャリア)の対談本に、こんなことが書かれていて、愕然としたことがある。

あのキトラ古墳をなんであんなちっちゃなカメラで覗いているのか、みんな不思議に思うでしょう。(中略)大蔵省に(文化庁が)非公式に打診したら、「だめだ」と言われたからです。(中略)高松塚古墳の維持費が高い高い、と我々ずっと文句言ってるんですけど、あれで年間480万ぐらいですよ。ダーティな局長級の退職金は何千万ですよ。

我々ノンキャリに任せてくれれば、その局長が国家にどれぐらいの害毒を流したかということもちゃんと計算できるわけだし、逆にキトラ古墳をちゃんと保存したら、日本文化にどれぐらい貢献できるかということも数量的に計算できるからなんでもない。、すぐに出せるんですよ。(テリー伊藤著『お笑い大蔵省極秘情報2 大蔵官僚の復讐』飛鳥新社 1998年7月刊)

問題になった高松塚の維持費が年間480万円ぽっちだったというのも驚きだが、とにかくハイテク技術を使うだけの予算がつき、はぎ取り作業が前向きに進みそうなのは、有り難い。本番でも、ぜひうまくやってほしいものだ。

※写真は明日香村の道端で、10/28撮影。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする