tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

アグリ・ビジネスセミナー

2006年11月22日 | 奈良にこだわる
11/21(火)、県社会福祉総合センター(橿原市)で「アグリ(農業)・ビジネスセミナー」が開かれた。

規制緩和(農地法改正)により、全国の株式会社で農業ができるようになった。これをいかにして現実のビジネスチャンスに結びつけるか、というのがこのセミナーのねらいだ。この日は農業従事者、食品加工業者、自治体関係者など50名近い方が参加された。

講師は、マーケティング・プロデューサーで福岡県立大学非常勤講師の平岡豊(しげる)氏だ。博報堂勤務時代は、農業プロジェクトを担当されていた。この日のお話は「農業ビジネス入門・マーケティング編」の趣だった。

同氏によると、消費者の購買行動は以下の3点で決まる。大消費地(大阪)に近く(歴史・文化など)良いイメージのある「奈良」の農業ビジネスは、2と3に着目すべきだという。
1.損得(高い安い)
2.体面(見栄)
3.好き嫌い(感性)

そして、次の3点に留意した農業産品づくりをめざすべきだとする。
1.鮮度
2.風味・食感
3.地域個性品

同氏は「21世紀は中山間地農業の時代だ」という。「中山間地は、決して条件不利地域ではない。昼夜の寒暖差・標高の高低差を逆手にとって、個性的で風味豊かな農産物を(少量でいいから)作れば良い」 私は桜井市の中山間地・笠の名物「笠そば」をふと思い出して、なるほどと納得した。
※夏そばの花(ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f77c79a6f1bd08c4239414cddb0889b1

その上で奈良は「取り寄せ便の顧客のような層をターゲットに、五感や心情に訴える高品質の農産物や加工品を作るべきだ」とする。例として県内の駅売店で売られていた「葵寿司」(製造は京都市の葵本舗)を紹介する。

ワサビ(山葵)の葉と茎を使ったワサビ寿司は九州にもあるが、これを「葵寿司」(ワサビの葉はハート型で葵の葉に似ている)とネーミングするセンスが素晴らしいという。

「大和野菜vs京野菜対決」のような仕掛け作りも大切で、消費者を引きつけるセールス・プロモーションを企画して、特産品の柿や大和野菜、大和肉鶏などをもっと全国にアピールすべきだと力説する。

確かに「大和肉鶏vsさつま知覧どり」「あすかルビーvsあまおう(福岡のイチゴ)」など、邪馬台国の近畿説vs九州説と引っかければ、話題になりそうだ。

とかく農産物といえば、これまでは「作る」が最重点で、消費者ニーズをくんで「売る」方は二の次だった感は否めない。味や値段だけでなく、安全・安心、産地ブランド、環境配慮など、消費者は様々なものを求めているのだ。

今回の話は、奈良の「農」の方向性を指し示す良いヒントとなった。早速、農家の友人に教えてあげたい。
※同セミナー募集時のニュースリリース(南都銀行のサイト内)
http://www.nantobank.co.jp/news/061108.htm
コメント
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