tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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ド・ロさまそうめんのインパクト

2007年07月10日 | グルメガイド
「ド・ロさまそうめん」をご存じだろうか。大阪で食事の際、袋入の乾麺を見つけたのだが、まずはそのネーミング、次にはその太さに驚いた。

冷や麦か細打ちうどんと見まがうほど、太いのだ。JAS(日本農林規格)では、細いのがそうめん、太くなると冷や麦、と決まっていたはずなのだが(表示は「手延べそうめん」)。

しかし金ピカの「長崎県推奨」シールが貼ってあるし、長崎といえば「島原そうめん」の本場なので、とりあえず1袋(50g×6束=300g)だけ買うことにした。わずか399円という安さも魅力だった。

家に帰って早速ゆでてみた。そうめんは細いのでゆで方が難しい(ゆで過ぎが一番いけない)。パスタのアルデンテ(針ほどの芯を残す)ほどではないが、髪の毛一筋ほどの芯を残すのがコツなのだ。で、差し水を差しつつゆでてみたが、結構時間がかかる。

4分以上かかってやっと出来上がり、大量の冷たい水で締めて、皿に盛った(写真は乾麺100g分)。ひと口食べてみると、これはイケる! 小麦の味がとても良いし、使っている水も良いのだろう。コシもある。しかし、そうめんというより、やはりこれは冷や麦に分類したい。そこで思い出した。これは長崎名物「五島うどん」の親戚ではないのか。
※日本3大うどん(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/ccc10e6b655c36b84d930aef40e22d3e

この美味しい「ド・ロさまそうめん」の驚くべき由来を紹介しておく。袋の説明書きによると

《明治12年(長崎市)外海町出津(そとめちょう・しつ)の里に赴任したパリ外国宣教会のマルコ・ド・ロ神父が、当時の貧しい村人の暮らしに驚き、村人の生活を向上させ自立する力を身につけさせようと、故国フランス産の小麦粉を原料に落花生油を引き油(麺を延ばすのに使う食用油)として用いる独特の製法を考案して造り伝えた》
http://www.e-nagasaki.com/makers/shops/details.php?id=45

オリバーどろソースや、どろんこ美容を連想した自分が恥ずかしい。偉い神父さんの名前だったのだ。地元にはド・ロ神父記念館まであり、『沈黙』の舞台として遠藤周作文学館も開館したという。
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/bussan/toku_sotome.html

このコシは、パスタと同じ強力粉を使うことから生まれるのだ。なおJASによると「機械麺の場合、太さ直径1.3mm未満がそうめん、1.3mm以上1.7mm未満がひやむぎ、1.7mm以上はうどん」と分類されるそうだが、「手延べの場合は太さ直径1.7mm未満のものは、手延べそうめん、手延べひやむぎのどちらで表示してもよい」のだそうだ。

それにしても長崎の麺類は、チャンポン、皿うどん、五島うどん、島原そうめん、そしてこのド・ロさまそうめんと、いずれも期待を裏切らない美味しさだ(麺の感じも共通する)。出島での貿易や神父さんの布教が関係しているのだろうが、ルーツがとても興味深い。これは、掘り下げるに値するテーマである。
コメント
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