tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

源流の森を歩く

2007年07月25日 | 奈良検定
昨日の火曜日(7/24)、休暇を取って川上村(奈良県吉野郡)を歩いてきた。これは「奈良まほろばソムリエ検定 体験学習プログラム」(奈良商工会議所主催)の一環だ。

奈良検定2級合格者が1級を受験するための条件として、少なくとも1つはこのプログラムを履修しなければならない。「5.源流の森を歩く」というこのプログラムは、吉野川(紀ノ川)源流にある原生林「三之公(さんのこう)天然林」を歩くガイド付きツアーだ(参加者=25名の老若男女。一般には入山できない)。

集合は近鉄大和上市駅(9:00)または村内の森と水の源流館(9:30)だった。私はこのプログラムに参加する会社の先輩の車に同乗させてもらい、直接源流館に向かった。天気は快晴、絶好のウォーキング日和となった。

歩く距離は4kmほどだ。山道や川沿いなので、長袖シャツに軍手、ズボンの裾は靴下に入れ、靴下の周囲には石鹸を擦り込む。これは蛭(ヤマビル)対策なのだ。

源流館でマイクロバスに乗り換え、1時間ほど走ると登山口に着く。小さな祠(ほこら)で山の神様にお祈りしてから、山に入る。平坦な山道を40分ほど歩くと、写真の場所に到着した。

バスを降りたときは猛暑だったが、ここは自然の冷気でとても涼しい。川の水は底まで澄み渡っていて、飲むとかすかに森の香りがする。急いでカメラを取り出したが、周囲は目移りがするほど、素晴らしい被写体ばかりだ。重い三脚を担いできた甲斐があった。

ツアーはこのあと少し歩き、やや広い河原で昼食休憩。トガサワラ(マツ科の樹木)、栃、朴(ほお)などの古木が川を囲み、その間に苔むした巨石がごろりと横たわるという、原始の森の景観を楽しみながら弁当を食べた。何だか縄文人の気持ちになってくる。

そこから少し奥まで、道なき道をさかのぼってから引き返した。ツアー中は、源流館の職員さんが丁寧にガイドしてくれるので、森の生態や周辺の歴史などがとてもよく分かった。滑りやすい沢を歩くのはちょっと厄介(今も筋肉痛)だったが、落伍者もなく無事、全員バス乗り場まで引き返せた。

森を歩くことで、環境保全や水源保護や林業問題など、いろんなことが見えてきた。とりわけ途中の杉の人工林で、間伐が不十分だったり、間伐材が伐られたまま放置されている様子を見ると、改めて林業の将来が不安になってくる。

ちょうど今朝(7/25)の日経新聞「エコー」欄(近畿経済面)に、京都銀行の柏原頭取が登場していて、木材輸出国が《関税引き上げなど輸出制限に取り組み始めており、いずれ国内産木材の方が価格が安くなると分析》し、《「林業は必ず再生する」と言い切る》と出ていた。

そうなれば、この伝統ある川上林業もかつての活気を取り戻すに違いない。林業と、日本三大人工美林・吉野杉林の再生を期待している。
コメント (10)
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