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レジ袋かマイバッグか、コロナ禍で論争

2020年08月25日 | 環境問題
産経新聞のニュースサイト「SankeiBiz」(2020.7.6付)に「レジ袋かマイバッグか、コロナ下での論争 使い捨てプラ安全性で賛否」という記事が出ていた。アメリカのプラスチック工業協会が「繰り返し使うマイバッグの表面に付着したウイルスが長時間生存し、感染拡大の原因となると指摘」したというのだ。「そんなアホな」というような話だが、これに基づきレジ袋禁止を一時中止したり、先送りしたりする州もあるという。以下に全文を貼っておくので、お読みいただきたい。
※トップ写真は「SankeiBiz」から拝借。キャプションは「市民による海岸清掃
で集められたごみ。プラスチックのものが目立つ=2018年5月、千葉市」

使い捨てプラスチックによる深刻な海洋汚染対策として、日本でも遅ればせながら、プラスチック製レジ袋の有料化が始まった。だが、多くの国ではその先を行くさまざまな対策が進んでいる。一方で、深刻化する新型コロナウイルスの感染拡大が、対策の後退を招く恐れも指摘されている。海のプラスチックごみに関する対策や最新の状況を探った。

感染リスク見解相違
「新型コロナウイルスとの闘いが重要な局面を迎える中、使い捨てプラスチック規制の悪影響がかつてないほど目立っている」-。3月、米国のプラスチック工業協会(PIA)は、アザー米厚生長官に書簡を送り「消費者や労働者のリスクとなる性急な使い捨てプラスチックの禁止に反対するよう要請する」と訴えた。

書簡は、繰り返し使うマイバッグの表面に付着したウイルスが長時間生存し、感染拡大の原因となると指摘。「使い捨てプラスチックが最も安全な選択肢だ」と主張した。これは環境保護団体から「プラスチック業界は、レジ袋禁止政策を殺すために新型コロナウイルスを利用している」と激しい反発を呼んだ。

だが、感染拡大が深刻な米国ではカリフォルニア州が使い捨てのプラスチック製レジ袋の禁止を一時中止、ニューヨーク州は3月1日から予定していたレジ袋の禁止を一時、先送りした。大手コーヒーチェーン、スターバックスのように、感染防止の観点からマイカップの利用や店内用食器の中止を決めた例も少なくない。英国政府も3月、オンラインの食品宅配用に限って、2015年に導入した5ペンス(約7円)の課金を今年9月まで免除することを決めた。感染予防と配達時間の短縮が理由だ。

だが、米バージニア海洋科学研究所のロバート・ヘイル教授は「PIAが引用した研究は食品を入れるマイバッグが新型コロナウイルス感染のリスクになることを示すものとはいえず、米国政府も食品容器などがコロナウイルスの感染源となったとの証拠はないとの見解だ」と指摘。「プラスチックに比べて、表面でウイルスが生き残る時間がはるかに短い紙製の方が安全だ」とする。

「長期的な視野必要」
環境保護団体、グリーンピースも「使い捨てプラスチックが、マイバッグやマイカップのようなリユース製品よりも安全だとはいえず、むしろ、廃棄された時の問題が大きい」「基本的な衛生対策をとることで、リユース製品を安全に利用できる」とする声明を発表。これには世界各国の専門家約120人が賛同の署名をした。といっても「規制緩和は一時的なもので、多くの国や地方政府は規制を維持している」(世界銀行の専門家)。

プラスチック問題に詳しい世界経済フォーラムのクリスティン・ヒューズさんは、プラスチックによる海洋汚染の防止という長期的な課題の重要性を強調。「消費者は政府に使い捨てプラスチック規制緩和の見直しを求め、企業には長期的な視野を失わずにプラスチックごみに関する目標を後退させないよう求めてゆくべきだ」としている。


フランスは2040年にプラスチック製容器の全廃や、2030年までに使い捨てペットボトルの半減、2025年までにプラスチックごみ100%リサイクル、という目標を掲げているという。やっとレジ袋有料化が実現した日本も、見習うべきではないか。
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