tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

「おとろし/うたとい/大義ぃ」で「お疲れさま!」

2020年11月24日 | 奈良にこだわる
奈良県に方言数々あれど、ピカイチは「おとろし(おとろしい)」だろう。「恐ろしい」ではなく「面倒だ」という意味だ。『日本方言辞典』の「おとろしー【恐】」によると、やっと5番目になって出てくる。ちなみに「(1) 恐ろしい。怖い。(2) 恥ずかしい。(3) 甚だしい。非常だ。すさまじい。(4) たくさんある。」の順に登場する。

(5) うるさい。めんどうくさい。また、ものうい。《おとろし》とも。奈良県 「そんなおとろし事俺ようしやん」。

主に吉野郡など県南部の方言であるようだ。私の母方の祖母(大和高田市生まれで吉野郡大淀町に嫁いでいた)や従姉妹(祖母と同居)がよく使っていた。私の出身の和歌山だと「うたとい(うたてい)」というところだろう。いずれも平安時代あたりの古語「おどろおどろし」「うたてし」とから来ていると容易に推測される。関西は歴史が古いので、このような古語が残ったのだろう。

私の弟は広島の大学に通っていた。彼が言うには広島では、これは「大義(たいぎ)ぃ」であるらしい。「大義ぃのう」という風に使うようだ。これは殿様などが家来の労をねぎらって「大義であった」というところから来たのだろう。時代劇などでもよく登場する。

ちなみに私の勤務先ではよく「お疲れさまです」「お疲れさまでした」と日常の挨拶で使う。これは「大義であった」「ご苦労であった」同様、殿様などが家来をねぎらう言葉だ。私は早い時間帯に若い連中からこれを言われると、「疲れておりません、こんな時間で疲れていてどうするの?」と逆に切り返すことにしている。まぁ午後5時近くなら許すのであるが、ずいぶんうるさいオヤジと思われていることだろう。皆さん、これってどう思います?
コメント
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