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田中利典師の「世の中は喰うて稼いで寝て起きて、さてその後は死ぬるばかりぞ」(一休宗純)

2024年12月06日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、「世の中は喰うて稼いで寝て起きて、さてその後は死ぬるばかりぞ」(師のブログ 2017.3.30 付)。この歌は一休さん(一休宗純)の歌で、人生を達観しきったような狂歌である。まあ人生、そんなものかも知れないが。
※トップ写真は、奈良公園の水屋茶屋(みずやちゃや)の辺り。2024.12.3 撮影

なお少年犯罪は、2022年は微増したようだが、長期なトレンドとしては減り続けている。では、以下に全文を紹介する。

「世の中は喰うて稼いで寝て起きて、さてその後は死ぬるばかりぞ」ー田中利典著述集290329
過去に掲載した金峯山寺の機関誌「金峯山時報」のエッセイ覧「蔵王清風」から、折に触れて拙文を本稿で転記しています。今日のはもう8年も前(2009年)のもの。世相を憂いて書きましたが、今もあまり変わらないのかもしれません。その分、文章も古さを感じない…それは少々悲しい話です。




このグラフは、日本経済新聞の記事(2023.12.8付)から拝借した

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「世の中は喰うて稼いで寝て起きて、さてその後は死ぬるばかりぞ」
連日続く殺伐とした事件報道にうんざりする毎日である。親殺し、子殺し、猟奇殺人、通り魔殺人などなど、悲惨で残忍な事件はあとを立たない。カンベンして!って正直思いますねえ。一体誰がこんな国にしたのだろうか。いやいやみんなでこんな国にしてきたのですよね。

でも、ちょっと立ち止まって考えることも必要である。どうも報道に踊らされすぎているのではないのだろうか。たとえば青少年の犯罪がものすごく多いように言われているが、実数はそうではない。少年の摘発は、平成16年(2004年)度調べで、前年比では8.3%減の12万3715人だったという。

世間一般のイメージとは違って、少年犯罪は激増どころか、むしろ減少している。そういうイメージ操作が意図的におこなわれているとは思わないが、過激な犯罪には反応が大きいだけに、現実以上に、全体のイメージを損なってしまうのだろう。

さて、日本はそんなに悪い国なのだろうか。いや決してそんなことはない、はずである。世界の中でも屈指の美しく住みやすい国なのである。なのに自国をさげすみ、おとしめるような報道があまりに多すぎるようにも思える。

のーてんきな楽観主義もいけないが、悲観主義では何も生まないし、見失ってしまうものも多いことを知らねばならないだろう。と、意気がってみたところで所詮はわからぬ事が多いばかりの世の中である。日本のことどころか、我が身の明日をも知らぬこと。

「世の中は喰うて稼いで寝て起きて、さてその後は死ぬるばかりぞ」と嘯(うそぶ)いたのは一休禅師であるが、彼ほどとはいかないにしろ、自分自身の人生はきちんと見極めていたいと思っている。

少なくとも、変な報道や流言によって、つまらぬことに惑わされたり、流され続けることのないよう、心しておきたいとものである。 ま、難しいことはご本尊にお任せをして、仏道修行に励むが肝心。それが出来たら、それが一番よいのだと私は思っている。
※「金峯山時報2009年6月号所収、蔵王清風」より

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千葉の我孫子市でも幼い子が災禍にあった。痛ましい限りである。いつになっても痛ましい事件はなくならない。1日も早い犯人の検挙を願うと共に、彼女のご冥福をお祈りします。
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