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古祭(ふるまつり)にスコの餅、国津神社(奈良市都祁白石町)/毎日新聞「やまとの神さま」第101回

2024年10月27日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週水曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2024.10.23)掲載されたのは〈冬を告げる「スコの餅」/国津(くにつ)神社(奈良市)〉、執筆されたのは奈良市にお住まいの同会会員、小西和子さんだった。
※トップ写真は、国津神社拝殿=奈良市都祁(つげ)白石町で

「国津神社」という名前の神社は、ざっと調べただけでも、三重県や和歌山県にもある。奈良県にも、桜井市箸中や奈良市都祁南ノ庄(=本文に登場)にもある。混同を避けるため、「白石国津神社」と書くこともあるが煩雑になるので、今回は単に国津神社とした。では、全文を紹介する。

冬を告げる「スコの餅」/国津神社(奈良市)
奈良市東部の都祁白石町にあります。創建の由来は、古代より当社地、字神子尻(かみこじり)に大きな白い石があり白石明神と呼ばれるようになったとも、6人の年寄りが都祁南ノ庄の国津神社から神体の白い石を持ち帰ったところこの場所で急に動かなくなったのでそれをここに祭ったとも伝わります。

当社の東700㍍にある雄神(おが)神社との間には、「やすんば」と呼ばれる木の茂みが田の中に点々と4ヵ所あり、神様が両社の往来の途中に休まれた神聖な場所とされています。

祭礼は大祭が10月中頃の日曜日、古祭(ふるまつり)が旧暦10月16日(現行11月3日)です。古祭では、「スコの餅」と呼ばれる御供(ごく)が3基運び込まれます。藁(わら)で作った胴(ほで)を菊花で飾り、輪切りの大根と丸餅を交互に刺した長い竹串を花が咲いたように上部からぐるりと垂らします。

胴の上部に1.5升ほどの丸く平たい餅を載せ、それぞれ松・紅葉・梅を立てます。胴には、3本の竹の足がついており、紋付・羽織・袴(はかま)に下駄(げた)履き・山高帽姿の宮座衆が、太鼓を先頭に「チョウサヤ、チョウサヤ」と唱和しながら掲げて運びます。色とりどりに飾られた「スコの餅」は、淡い秋の日差しに輝いて、都祁の里に冬の訪れを告げるのです。(奈良まほろばソムリエの会会員 小西和子)

(住 所)奈良市都祁白石町580
(祭 神)主神、大国主命 末社春日神社、天児屋根命(あめのこやねのみこと) 同厳島神社 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
(交 通)名阪国道針ICより南へ約1㌔
(拝 観)自由
(駐車場)あり


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