めざせ中医学的健康生活

日本人中医師による美容と健康に役立つ情報。「未病を防ぐ」をモットーに心と体の健康を保ち、毎日楽しく暮らせますように♪

今年こそ美味しい枇杷を

2007-05-25 | 薬膳&食療(果物)
我が家の庭にある3本の大木

既に「屋根よ~り たーかーい」ので、管理しきれずに野生の森状態です。

はしごも届かず適度に枝を落としてあげる事もできず、、今年はついに月桂樹にカイガラムシがついてしまいました。

少しくらいなら被害も少ないでしょうが、もう既にびっしりこういった虫は、ウイルス病を媒介するので厄介なのよね~って思ってよく見ると、既に黒く枯れた葉や萎縮した葉がチラホラ

ああーっど、どうしようっ ごめんねー

思わずゴメンナサイと言い、木酢液をスプレーしてみましたが効果なし。コマッタ


すぐ隣の枇杷の木も巨大ではしごや手の届く範囲に実は生らず、実が黄色くなる頃には鳥たちが賑やかに食事会をしています。

ご近所にも枇杷の大木があるおうちがあり、昨日通りがかるとちょうど人がいて「枇杷たくさん生るのに美味しくないのよね~」とおっしゃるので

「摘果すれば美味しくなるのでは?」と言うと、「摘果って?」 と不思議顔。

早速説明して、私が摘果作業をする事になりました 思い切って幼果をボロボロ落としていきます。

大体3~4枚の葉で1つの実を養う計算なので、5~6個鈴なりで生っている実を2個くらいにまで減らします。

手の届く範囲だけですが、結構落としました。「熟したら味見しましょうね」と言ってくださったので今年は無農薬の枇杷を賞味する事ができそうです。  美味しくなるといいな

中国の食材辞典によると、

枇杷(果実)…味が甘酸、性は平(寒熱の偏りがない)  渇きを止め気を下ろし、肺の気をスムーズに流し、上焦(体の上部。臓器では心と肺)の熱を下げ、五臓を潤す。←酸甘化陰(酸+甘で陰を生じる)ですね

注意事項たくさん食べると湿を助け痰が生じる。脾が弱くて下痢しやすい人は控えるように


との事。枇杷を食べ過ぎるなんて、あこがれちゃうな~


枇杷の葉は漢方薬として使われていて生薬名で「枇杷葉」と言い、咳や嘔吐をしずめる作用があり、熱性の症状の時に幾つかの生薬と一緒に使われます。

この「幾つか」と言うのがポイントで、病機や病因を分析してそれに合う生薬を幾つか組み合わせる事によって効果を発揮するのです。

「咳を沈める作用があるから枇杷葉だけを使う」と言うのは、西洋医学的な発想になります。症状だけを見てそれに対処するのでは根本的な解決になりません。

その原因や発生の過程を探り、例えば咳だと
冷えたことが原因→温める薬
水分代謝が悪くて痰が生じて気の通りが悪くなる事が原因→水分代謝を司る脾の機能を上げる薬
痰があり気の通りの邪魔をする→化痰薬

と言った薬を組み合わせて根本から咳の治療をするのです。


今日本では漢方薬を出してくれるお医者さんが多いですけど、西洋医学的な処方の仕方をしている先生が少なくないようで残念です。

漢方薬の効き目はイマイチと思われているのはそんな現状が原因だったりして





コメント
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