エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

蝶の日向ぼっこ

2007-10-27 | 昆虫
                【夜露に濡れたヤマトシジミ】


 今朝も、散歩道で色が褪せ種を散らし始めたキンエノコロの穂に、ベニシジミとヤマトシジミが何頭も止まっていた。

 ベニシジミはほとんどが翅を半分広げ、昇り始めた陽の光を受けているようだったが、ヤマトシジミはすべてが翅を閉じたままで、夜露が羽に付いていた。
 ベニシジミは羽の色からもいかにも光を吸収して体温が上昇しやすいように思えた。

 
【朝日を浴びるベニシジミ】 

昆虫は変温動物だから、気温の低下と共に体温も下がり活動が鈍くなる。夜が明け、気温の上昇につれて体温もあがり、暑いくらいの日中はさかんに元気に飛び回っている。この時期、アキアカネの動きも緩慢になり、手に止まっても逃げない。そして、暖かい小春日にいっぱい日向ぼっこをしている。

 昆虫の気温と行動の関係はとても興味深い。
 蝶も冬越しは卵、成虫、蛹と種によって違う。蛹のじきに寒さを経ないと、その後成長できないようだ。

 春の山道で、越冬したミヤマセセリやクジャクチョウ、ルリタテハなどが春の陽に日向ぼっこをしている光景を思い出した。

(2007.10.24)

愛おしき夜露輝くチョウの羽