エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

穏やかな春

2008-03-13 | 日々の生活
            【春の陽に輝くハクモクレンの蕾】


 初めての春らしい陽気に誘われ、自転車を出した。野ざらしにしていたボディを拭き、タイヤの空気を入れ、油を注しブレーキを点検した。


 午前中に、孫娘を妻にまかせて、静かに書籍に囲まれた。
 手袋をして、少しひんやりする風を切って大学図書館まで自転車を走らせた。春の風が眼にあたり、さわやかな涙が出た。ときどき自転車を止めて涙を拭いた。春を感じながら徒歩の40分もいいが、15分足らずのサイクリングもいい。
 閲覧室は今日も一人で貸し切り、指定席ソファーから前庭を眺めた。かすかに揺れる竹の植え込みの根元に、冬の名残の雪が美しく見えた。

昨日は午後から強い風が吹いたが、春一番だったのだろうか。今日は午後も穏やかで、まだ雪の残る裏庭を除いて、植え込みの雪囲いをほとんど取り払うことができた。そして、家の中に取り込んでいた鉢植えの植木を暖かな庭に出し、陽にあてた。孫たちは久しぶりに補助輪の付いた自転車を乗り回している。のどかな、静かな春の始まりだ。

【気温も13度まで上がる】

今年初めての暖かい春を感じたが、この冬は冬らしい冬だったと思う。ドカ雪はなかったが、厳しい寒さが続き、雪降りの毎日でもあった。
 まもなく彼岸だ。一昨年のお彼岸のお中日の大雪を思い出した。会津に春を告げる彼岸獅子の舞いを見に行ったが、大雪でお城の本丸では舞うことが出来ず、武徳殿で行われた。そのあと磐梯町のしんしんと降る雪の中での舟引きまつりが忘れられない。

 今年もまもなく、彼岸獅子の舞いから会津の春が始まる。