【短大構内で】

幼稚園が代休の孫娘を連れて大学図書館へ行った。
いつものように、「文藝春秋」の最新号を隅々まで読んだ。
相変わらずの政治がらみの記事には、何の感想もなかった。
一つ二つ、こころ動かされるものがあった。
”村の時間 命は時間 ” と題する俳人・黒田杏子さんの話題だ。
山口萩の老人の句 ”村を出ず子に従わず稲を刈る”が紹介され、
さらに、作者の読んだ背景に感動したことが書かれていた。
句の作者は「村には自分の時間が流れている。山にも川にも自分の時間が流れている。
出来ることなら死ぬまでこの時間の中で生きていたいと思う」と。
また、日野原重明医師の、小学生への「いのちの授業」で、「命って何?」と質問する。そして子どもたちに「命は時間なのです」と話されると。
日野原先生は満98才になられるが、2年ほど前から句作を始められたとあった。
《自分の時間》に、私もこころ動かされた。
いつも、我が家の庭に流れる自分の時間を思った。そして、「自分にとって、命とは何だろうか」としばし考えた。
自分にとっての命は、自分を支えてくれるもの、それは家族、自然豊かな庭、そしてそこに流れる穏やかな時間ではないかと考えた。
